では、ここで「京都掛札」のメソッドをまとめてみましょう。

【京都掛札の「広げる」メソッド】
【メソッド1】( 一貫生産 )を活かして新たな風呂敷を生んだ
【メソッド2】( 伝統文様 )をアレンジし日本の文化を伝える
【メソッド3】( 風呂敷文化 )を伝える店づくり

 毎回番組では、取材の最後に「おとなフィロソフィ」と名づけて、経営者やリーダーに企業理念や経営哲学を端的に語ってもらっています。

 伝統を守りながらも、常に新しいことに挑戦し、風呂敷の魅力を発信してきた京都掛札。これからも進化し続ける、京都掛札のおとなフィロソフィとは……。

カウンターで風呂敷の使い方をお客さんに教えることも(左は香代子さん)

 「風呂敷が認知されてきているけれど、まだまだ、使えない方も多いんです。もっと風呂敷を使えるようになってもらって、またその方が別の方に良さを伝えてもらって、もっともっと風呂敷が広がってほしいと思っています」と、三代目・掛札康之さん。

伝統から生まれた革新

 「とにかく、風呂敷の良さを知ってほしい」との思いから家族総出で新たな風呂敷を提案した京都掛札。それは、一見、奇をてらったもののように映りますが、伝統文様という昔ながらのデザインを現代風にアレンジするという本筋を守りながらの攻めでありました。

 結果的にこれは、昔、人々が気軽に使っていたという風呂敷本来の使い方への原点回帰でもありました。「もう時代にそぐわない……」と半ば諦めているものも、その本質を見極めて今の時代だからこそ、という目線で見ることができれば、まだまだ可能性のあるものは世に溢れているかもしれません。ここまで残っているのには、必ず理由があるはずですから。

(この記事は「~オトナ度ちょい増しTV~おとな会」2017年3月15日分の放送を元に構成しました。文中の数値は放送時のものです。編集:日経BP総研 中小企業経営研究所

 この記事で皆さんにとって印象深かったのは、どんな話だったでしょうか。グッと心に残ったのは、旦那さんを巧みに“操縦”した二代目の奥さま、香代子さんの活躍ぶりだったりしませんか。

 オーナー経営の中小企業にとって、家族の働きはとても重要な意味を持っています。香代子さんの内助の功は、店頭での接客でもキラリと光るものがあるようです。

 最近、特に目立つのが、女性経営者の活躍ぶりです。美容院や保育といった女性ならではの分野だけでなく、精密部品や自動車教習所、金属加工、産業廃棄物処理など、以前は女性が経営者となることが珍しかった分野でもお目に掛かることが増えています。帝国データバンクの調べによると、女性社長の比率は企業全体の7.69%(2017年4月現在)を占めており、10年前から比べると1.45ポイント増加しているそうです。

 女性の起業が増えているほか、事業承継で女性がバトンを受け取る会社も珍しくなくなりました。こうしたことから、あと30年ほどもすれば、経営者の中での男女比が半々になるのでは、という見方も出ています。

 実際、中小企業では経営者の高齢化が進んでいます。1995年には経営者の年齢層の最頻値は50~54歳でしたが、2015年には65~69歳となっています(2016年版中小企業白書)。こうした会社では、どのように事業を維持していくか、これから向き合っていく重要な課題になるでしょう。

 日経BP総研 中小企業経営研究所では、二世経営者向けの研修「日経トップリーダー大学」、中小企業の事業承継プランづくり、M&A対応などで応援しています。

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