そこでは、独自の手法で成功した会社などが取り上げられている。関西ならではの着眼点、ど根性、そしてユーモア、そのエッセンスを伝えていく。 第37回は、京都の老舗風呂敷店「京都掛札」の挑戦をお送りする(前回の記事はこちらをご覧ください)。
こんにちは。大阪はMBS(毎日放送)のアナウンサー上泉雄一です。私は今「~オトナ度ちょい増しTV~おとな会」(水曜深夜0時59分から放送・関西ローカル)という番組の司会をしております。
読者の皆様、「天丼のてんぷらが、もっとたくさん盛られていれば……」と、考えたことはありませんか? そんな夢のようなお店が、大阪の中崎町にあるんです。「海鮮居酒屋 てつたろう」。お店の名前の通り新鮮なお魚のメニューが楽しめて、筆者もスタッフとの宴会ではちょくちょく使わせてもらっております。ランチメニューにその夢のような「天ぷらのせ放題」天丼があって、これをお目当てに多くのお客さんで連日賑わっております。
何せ、用意されている天ぷらは約15種類。1種類ずつ全部盛り付けると、これだけで丼から天ぷらがあふれ出てしまいます。ここに、エビやアナゴをそれぞれ100円で一尾追加できるのですが、これは注文してからの揚げたてを席まで持ってきてくれて、丼に直接盛り付けてくれます。そのサイズも丼からはみ出す大きさで、この時点でもう器は「天ぷら祭り」と化しております。

肝心のお味もこれまた最高で、揚げたての天ぷらのサクサク感と新鮮な材料の美味しさが合わさって、お箸がどんどん進みます。天ぷらを美味しく楽しむために、天つゆのほかにも抹茶塩やカレー塩などのバリエーションもあって飽きません。
掲載の写真は、体裁を考えてしまいアナゴ、エビ以外は少し控えめに盛り付けましたが、女性の皆様でもこれ以上に溢れんばかりに天ぷらを盛り付けた丼を、ペロリと平らげておられます。
アナゴ、エビを乗せても1000円でこのボリュームとクオリティーの天丼は、なかなかお目にかかれません。「ご飯の見えない天丼」という、大阪人の心意気を感じるメニューで、皆様のオリジナル天丼をぜひお楽しみください。
風呂敷を作って90年
ところで、皆様「風呂敷」ってお使いになりますか?
幼い頃、両親がお世話になった方へのご挨拶に伺うのについていった時、百貨店で購入したお品を風呂敷に包んでお渡ししていた光景は憶えていますが、自身が使った経験はないといってもいいくらいです。
江戸時代以降、風呂敷は物を包んで運ぶ道具として庶民にも広く普及して、数十年までは1人1枚は風呂敷を持っていたほど暮らしに欠かせないものだったそうです。
しかし、1970年代、スーパーマーケットが各地に増え、レジ袋が普及すると風呂敷は急速に影を潜めていきました。収納道具として使っていた風呂敷も、プラスチック製のボックスになり、いつの間にか生活の中から姿を消していったのです。
ところが、近年、大量生産・大量消費という使い捨てのライフスタイルが見直され、何度も繰り返し使えてゴミを出さない風呂敷の価値が再認識されているってご存知でしたか?
しかも、読者の皆様のイメージを大きく変える風呂敷を生産・販売している会社があるんです。
それが、京都は東山・知恩院の近くにある「京都掛札(きょうとかけふだ)」。

・創業 1925年
・年商 非公表
・社員数 3人
Powered by リゾーム?