そして本店の1階には、商品の包装などの待ち時間を有効に活用してもらうスペースとしてカフェを併設。こちらの看板メニューは昆布の煮汁を隠し味に使ったほどよい甘さが人気のオリジナルソフトクリーム。昆布の煮汁が隠し味のソフトクリームですか! 1度食べてみたいものです。これももちろん、昆布の魅力と可能性を広げるための取り組みのひとつです。

 「一番出しスターターキット」もそうですが、すべては昆布を愛するがゆえ。素材にこだわりお客さんのことを第一に考え、伝統を守りながら革新を続けること230年。守りと攻めがいかに大事かを出汁から教わった気が致します。

【メソッド4】( お手軽キット )で「だし文化」を普及

 では、ここで「神宗」の革新メソッドをまとめてみましょう。

【神宗の「革新」メソッド】
【メソッド1】老舗の味を守るため( 新しいチャレンジ )を続ける
【メソッド2】( お徳用 )を売ることで新たな顧客ニーズを生む
【メソッド3】広告・宣伝よりも( 販売員の知識 )を強化
【メソッド4】( お手軽キット )で「だし文化」を普及

 毎回番組では、取材の最後に、「おとなフィロソフィ」と名づけて、経営者やリーダーに企業理念や経営哲学を端的に語ってもらっています。

 伝統を大切にし、革新を恐れず、あくなき探究心を持ち続ける神宗の尾嵜会長に「おとなフィロソフィ」を伺いました。

「ズバリ言うと、正直に物を売る、ということです」。様々な手法はあれど、核となるのはこの信念。「これだけ長く続いているのは、今まで正直にやってきたから。これが秘訣やないかな、と思うんです」と会長は話されました。

 ごまかさない。妥協しない。お客様が喜ぶために。出汁の良さをもっと知ってもらいたい。神宗の様々な取り組みを、会長は「正直」という言葉に含ませたのでしょう。この正直な味を大阪人は愛してやまず、きっと、誇りに感じているはずです。

 筆者も社会人となってまだまだ若手だ! なんて思っていたら、もう上から数えた方が早いキャリアになっていました。様々なしがらみに泣く泣く首を縦に振ることもありましたが、改めてお客様の笑顔のために正直に進むことの大切さを教えられました。これからは、毎朝「正直」という言葉を噛み締めながらお味噌汁を頂戴します。その積み重ねが何かを変えてくることでしょう。

 

 この連載も今年は今回で最後。稚拙な文を読んで頂きありがとうございました。もちろん、連載は2017年も続けさせて頂きます。是非ご贔屓にお願いします。

 良い新年をお迎えくださいませ。

(この記事は「~オトナ度ちょい増しTV~おとな会」2015年9月9日放送分を元に構成しました。編集:日経トップリーダー

25年ぶりにセントラル・リーグで優勝した広島東洋カープ。長きにわたった不振のトンネルを抜け、なぜ復活できたのでしょうか。その間、勝っても負けてもファンはこの球団を応援し続けました。なぜカープはこんなにも愛されるのでしょうか。日経BP社では、松田元・カープオーナーへのロングインタビューを元に、その舞台裏を探る『広島カープがしぶとく愛される理由』を発売します。

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