【メソッド3】広告・宣伝よりも(???)を強化

 こんなに人気な神宗の塩昆布ですが、実は広告活動などを一切行わず、しかも直営店とデパートだけでしか販売していません。確かにこれだけ知られていながら、大阪でもテレビやラジオでCMが流れていないのは不思議な感じがいたします。

広告・宣伝よりも大切なものは?

 実は、その代わりに力を入れているのが「販売員の勉強会」なのです。勉強会に参加するのは、東京、横浜から福岡まで日本中の百貨店で神宗の売り場に立つ各百貨店のみなさん。広告費の代わりに各店舗の方を大阪へご招待し、神宗本社に来て頂き、昆布の産地から炊き方などの知識までを体験しながら身につけて頂くのです。工場見学では、天然真昆布の本来の美味しさをしっかりと舌に記憶してもらいます。

 大丸博多店から参加された販売員の方は「実際にこうやって説明を聞くと接客するときに詳しいことを伝えられます。お客様に買っていただける説明ができると思います」とのこと。我々、買う側にとっては、神宗の方でも百貨店のスタッフの方でもお店にいらっしゃれば同じですよね。販売員さんに徹底的に商品を知ってもらうことが、広告活動よりも顧客の心をつかむことにつながっていくのです。

【メソッド3】広告・宣伝よりも( 販売員の知識 )を強化

 さあ、最後にメソッド4を見ましょう。

【メソッド4】(???)で「だし文化」を普及

 おいしい塩昆布を売る。しかし、神宗はそれだけの枠に収まる様な会社ではありません。塩昆布ファンを増やすべく、更に大きな取り組みに全社一丸となって挑んでいます。それが「だし文化の普及と継承」です。

 「いかにしておいしい出汁を取るか」を広く伝えるために、小山社長自ら小学校を訪れ「だし教室」を開催。本当の出汁の味を知らない子供たちや親御さんにその美味しさを伝え、幼いころから出汁に親しんでもらうための活動です。小さな頃から出汁の味に慣れ親しみ、大人になっても大切にその味を守っていく……。これって大切なことですよね。

だし文化の普及に努める小山社長
だし文化の普及に努める小山社長

 また、京都には出汁の旨みを体験し、実践できるだし工房「宗達」をオープンしました。ここでは出汁の取り方を一から学ぶことができる料理教室をはじめ、出汁の旨みたっぷりの一品と日本酒を気軽に味わえる「だしバル」を開催するなど、とにかく出汁の美味しさを1人でも多くの方に知ってもらいたいと日々努力を続けています。

 

 さらに小山社長はこう話します。「お客様から、鍋で出汁を漉すことが面倒、と言われたんです。そこでもっと簡単に出汁を取ることができないか?と考えたんです」。

 何としても出汁の良さを知ってもらいたい、その一心から開発されたのが「一番だしスターターキット」。老舗には似つかわしくないネーミングのこの商品。「昆布とかつおぶしが一緒になったパックを使えば、家庭でもおいしい一番だしを手軽に取れるはず」と、コーヒードリッパーをヒントにお湯を注ぐだけで一番だしが簡単に取れるキットを開発し、こちらも大ヒットしています。

お湯を注ぐだけで簡単に出汁が取れます
お湯を注ぐだけで簡単に出汁が取れます