みなさま、塩昆布を買うために並んだことはありますか?

 この徳用塩昆布は開店と同時に飛ぶように売れ、購入は1人3袋までで、午前中には完売してしまうという人気ぶりなのです。もう1度書きますが、塩昆布のために30分以上並んで購入するって、皆さん理解できます? 神宗の看板商品「塩昆布」、進物用の高級塩昆布は「ここぞ! という時」に大切な人に贈る定番のひと品で、進物用「5個詰め合わせセット」は5400円。まさに関西人の勝負ギフトといっても過言ではありません。

こちらが看板商品の塩昆布
こちらが看板商品の塩昆布

 送られた側も「おお、神宗の塩昆布か。ふむふむ」と感じるほどの高級品というイメージがある神宗の塩昆布。そんな中、リーズナブルな徳用塩昆布は、価格は進物用のものに比べて、およそ3分の1。260gで1000円と、とってもお得でお求めやすい値段で食べられるとあって評判になり「昆布の行列」は神宗の代名詞となりました。

看板が出るほど行列が日常茶飯事に
看板が出るほど行列が日常茶飯事に

 老舗でありながら変革を続け、昆布にこだわり続ける神宗。その成功のメソッドをひも解いていきましょう。

【神宗の「変革」メソッド】
【メソッド1】老舗の味を守るため(???)を続ける
【メソッド2】(???)を売ることで新たな顧客ニーズを生む
【メソッド3】広告・宣伝よりも(???)を強化
【メソッド4】(???)で「だし文化」を普及

【メソッド1】老舗の味を守るため(???)を続ける

 今から、およそ230年前、大坂の靭(うつぼ)という町に海産物問屋を構えた神宗。明治になってから、塩昆布を売るようになりました。塩昆布というと塩吹きタイプの乾いた細切りのものをイメージされるかもしれませんが、神宗の塩昆布について8代目当主・尾嵜(おざき)彰廣会長はこう話してくれました。「大阪の人は昆布を買ってきて醤油などの調味料で炊いた佃煮を『塩昆布』といって家で作るのが風習で、各家庭それぞれの味がありました。明治に入って家で作っていたものをお店で出したらこれが評判になったんです」。

 
8代目当主、尾嵜会長
8代目当主、尾嵜会長
 

 そう、神宗の塩昆布といえば、このしっとり具合と肉厚でありながら柔らかな食感、そして味わい深い独特の風味にピリッと効いた山椒の味が特徴。こうして、明治から塩昆布の道を歩み始め、今や「塩昆布といえば神宗」という確固たる地位を築きました。

淡水と海水が混じり合う「白口浜」の昆布だけを使う

 神宗の昆布に対するこだわりは並大抵のものではありません。「自信を持っているのは、他所より良い素材を使っているからなんです」と尾嵜会長。自信を持てる味に仕上げるためにこれまでも数々の素材を試し、チャレンジを繰り返してきました。

 その結果、現在では塩昆布に使うのは北海道・道南産の真昆布。道南で取れる真昆布のうち9割が関西で消費されるというから驚きですが、神宗では、その中でも最高級品とされる「白口浜」という限られた地域で採れる天然ものしか使わないそうです。白口浜で採れる昆布が美味しい理由は山から流れ込む川のミネラル分だそうで、淡水と海水が混じり合い、美味しい昆布が育つと言われています。

 
白口浜で採れる昆布のみを使用
白口浜で採れる昆布のみを使用

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