では、ここで「とようけ屋山本」の成功メソッドをまとめてみましょう。

【とようけ茶屋山本の「復活」メソッド】
【メソッド1】( 伝統の製法 )を捨て採算度外視で味を追求
【メソッド2】( 耳ざわりな意見 )にこそ大切なメッセージがある
【メソッド3】( 良いもの )は素直に認める柔軟な( 発想 )
【メソッド4】味を守り続けるために( 手間を惜しま)ない

 毎回番組では、取材の最後に、「おとなフィロソフィ」と名づけて、経営者やリーダーに企業理念や経営哲学を端的に語ってもらっています。

何をおいてもお客様に感動してもらう

 ご紹介した3度の大ピンチのほかにも、様々な苦難を乗り越えてこられた山本さん。伝統を大切にし、革新を恐れず、あくなき探究心を持ち続ける、とようけ屋山本の山本佳会長に「おとなフィロソフィ」を伺いました。

 「メーカーは何をおいてもお客様が感動するもの作ることです」

伝統ある豆腐店の三代目を継いだ直後から様々な苦難を乗り越え、世界中からお客様が訪れるお店を作り上げた山本会長。実は、今なお、叶えたい夢がおありなんだそうです。それが何かをお尋ねすると「今は言えない」と、これまた笑顔でした。それは「今まで豆腐屋がやったことがない」ものだそうです。

 もちろん、筆者には全く想像ができません。その夢を叶えるまで、また考えもつかなかった苦難が、山本会長に襲い掛かるのかもしれません。しかし、山本さんは、この夢を叶え、私たちの心を揺さぶるものを、また満面の笑顔で見せてくれるはずです。そして、また新たな夢を追い掛け続けられるのでしょう。

店頭には連日行列が続く

 筆者の今後にも、これから様々な困難があるでしょう。でも、山本さんのような人生の大先輩がいくつになられても苦難と戦い、終始笑顔を絶やさずにそれを乗り越えてこられました。それを考えると、筆者のような若輩者が目の前の苦労を嘆くのは、おこがましいにも程があります。苦難に眉間に皺を寄せず、まず、笑顔でいることから勉強させていただきます。

(この記事は「~オトナ度ちょい増しTV~おとな会2016年3月2日放送分を元に構成しました。編集:日経トップリーダー

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