沢山の切り刃の中には、世界でここにしかない棣鄂オリジナルの切り歯もあります。工場長の和典さんが、「どうしても作りたい麺がある!」と、特注で切り刃を作りました。その「どうしても作りたかった麺」こそが通称“ウィング麺”。麺の断面をよく見るとアルファベットの「Y」の形状になっているのです。

断面を見ると「Y」の字になっているウィング麺

 コレで和典さんは「ちぢれもストレートもいいですけど、こういう麺も美味しいんじゃないかなぁ、と思い切ってオーダーしました」。とても20年前に麺が作れず立ち尽くしていた男とは思えない堂々とした自信です。今までになかった麺は、今までになかった食感をもたらしました。実際、このウィング麺を使っているのが、京都市水族館のすぐ近くにある「拳ラーメン」。店主の山内さんは「麺とスープの相性がいい。そして、立体的な形の麺なので軟らかいところと、しっかりしたところがあって、麺が口の中で踊るような感じがしたので是非使いたいと思いました」と。

 さすが人気ラーメン店の店主さんは表現の仕方が違いますね!「麺が口の中で踊るような感じ」とは、脱帽です!口の中の雰囲気がよく分かります!拳ラーメンさんが人気店なのは、それだけのこだわりがあるからなんでしょうね。

 どこにもない麺。どこにも真似できない麺作り。それこそが麺屋棣鄂の信念なのです。

 徹底的に麺にこだわった結果、現在麺屋棣鄂で製造している麺の種類は150種類にも及びます。

【メソッド2】顧客の要望に応えるため( 設備投資 )を惜しまない

 それではメソッド3にまいりましょう。

【メソッド3】(???)と(???)の関係を崩す営業はしない

 そんな棣鄂の営業スタイルは独特です。「麺を買ってください」と売り込むことは決して行いません。

 その理由を芳典さんはこう話します。

 「麺とスープは夫婦みたいな関係だと思っているんです」

麺とスープは夫婦みたいな関係

 ん? 夫婦みたいな関係? ……どういうことでしょうか?

「麺とスープの相性良くて、そのラーメン屋さんは機嫌よく営業してらっしゃるのに、こちらからそこに“コンコン”とドアをノックするようなことは絶対にしないんです。勝手に夫婦仲を崩すことはできません。『この麺じゃぁ困っている!』といった店にだけ営業に行くという考え方なんです」

 なるほど! うまい例え、と言いますか、麺のことを考えに考え尽くしたからこその想いなんでしょうね!

【メソッド3】( 麺 )と( スープ )の関係を崩す営業はしない

 それでは最期のメソッド4です。

【メソッド4】( ??? )に合わせた麺作り

 そうなんです。棣鄂のオーダーメード麺作りは、店主から依頼があり、芳典さんが駆けつけ、店主の要望を聞いてカルテを作ることから始まるんです。

 皆さんは覚えておいででしょうか? 実は、今回の冒頭に紹介した宮田麺児。この店のプロデューサー、麺主ことシャンプーハットてつじさんも棣鄂の麺に魅せられた1人だったんです。

 てつじさん、店をプロデュースするにあたりオーナーにある条件を出していました。それは……「麺は麺屋棣鄂じゃないと嫌です!と言ったんです。棣鄂の麺を食べて、ボクは『つけ麺って美味しい!』と思ったんです。しかもオリジナルで麺を作ってくれると聞いて、ますます、自分がお店をプロデュースするときは棣鄂じゃないとやらない! と決めてました」てつじさん、すごい信念ですね!