毎回番組では、取材の最後に、「おとなフィロソフィ」と名づけて、経営者やリーダーに企業理念や経営哲学を端的に語ってもらっています。

 日本人が大好きな魚の1つサバ。その魅力を広め、遂にはサバを育てるまでに情熱を注ぎ続ける鯖やの「おとなフィロソフィ」とは……。

 「魚のスター選手って、マグロとサーモンぐらいですよね。でも、値段の高いスター選手って意味がないと思っています。私は、大衆魚であり、料理の幅もあるサバがスター選手になってくれたらハッピーと思っています。サバがもっと身近である生活を提供したいんです」

サバに大衆魚のスター選手になってもらいたい

 今回の主人公・右田社長は、日経ビジネスオンラインの読者ならご存知の方も多いと思いますが、「クラウドファンディング」という方法で3685万円を集めSABARを立ち上げました。またサバの養殖も同じくクラウドファンディングで資金を集めて事業に挑戦しようとしています。

 何より「特化」するということは覚悟が要ります。「もし、受け入れられなければ……」との思いは、おそらく頭の中をよぎったことでしょう。

 しかし、クラウドファンディングでの出資者の方の数やコメントを見たときに、同じようにサバを愛している方が沢山いらっしゃると分かり、俄然、勇気が出たそうです。もちろん、思いだけで事業を成功させることはできないでしょうが、その思いがなければ成し得ないことも事実です。

 それは、押し付けがましいものではなく、サバをもっと知ることで増える暮らしの楽しみの提供でした。ここに幾つもヒントが含まれていると改めて感じる筆者でした。

 (この記事は「~オトナ度ちょい増しTV~おとな会」2017年3月29日分の放送を元に構成しました。文中の数値は放送時のものです。編集:日経BP総研 中小企業経営研究所)

■変更履歴
記事掲載当初、記事の見出で「サバに見せられた」としていましたが、「サバに魅せられた」に修正します。本文は修正済みです [2017/11/01 16:25]

 記事の中にもありましたが、鯖やの右田孝宣社長は、早くから本格的にクラウドファンディングを使って店舗展開をしてきた経営者として注目を集めています(そのいきさつをまとめた本はこちらです)。単に資金を集める方法と思われがちなクラウドファンディングですが、このところ中小企業がマーケティングやファンづくりに活用するケースが目立ち始めています。

 分かりやすく説明すると、このクラウドファンディングというのはインターネットを通じてアイデアに賛同者を募る仕組みです。新商品を開発しようとしたり、新しいお店を開こうとしたとき、仲介するサイトに登録してアイデアを説明し、期間を決めて必要な金額に対して多数の小口出資者を集めるというわけです。

 新商品のアイデアを公開して賛同者を募れば、どのくらい人気が出そうかが見えてきます。新しい店の場合は、出資者がファンになるケースが多く、開店前からお客さんを捕まえることができるのです。資金を集めるだけでなく、一石二鳥、一石三鳥の効果が期待されています。

 日経BP総研 中小企業経営研究所は国内の大手クラウドファンディング会社と連携し、中小企業経営におけるクラウドファンディング活用を応援しています。お問い合わせはこちらからお願いします。

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