では、ここで「ヤマロク醤油」の成功メソッドをまとめてみましょう。
【メソッド1】( 高品質 )な商品に絞り込みブランド化する
【メソッド2】( 小瓶 )による販売で個人客を取り込む
【メソッド3】桶職人に( 弟子入り )して伝統を守る
毎回番組では、取材の最後に、「おとなフィロソフィ」と名づけて、経営者やリーダーに企業理念や経営哲学を端的に語ってもらっています。
山本さんに「おとなフィロソフィ」を聞いてみました。
「普通の会社で長期計画を立てるときは、5年、10年で考えますが、うちは『何代』で立てるんです。昔の日本は、自分たちの代で甘いものが食べられなくても、子や孫の代のために庭に柿の木を植えたりしたんです。次の世代より、もっと先のことを考えて手を打っていくことが大切だと思います」

おそらく山本さんはお爺さんの植えた竹を見たとき、一言では表わせない様々な思いを感じたことだと思います。そして自身の使命を悟りました。次の、さらに次の世代のために。
筆者も「自分は何のために仕事をしているのか?」と考えることがあります。本当なら、テレビやラジオを見たり聴いたりしてくださるお客様のために仕事をしているはずです。でも時に、迷うこともたくさんあります。
そんな時、山本さんのこの話を思い出しました。今この仕事が報われなくても、5年先、10年先、いや、もしかすると自分がいなくなったときに花が咲く、その種を撒いているんだと。そうすると、また物事の見方がほんの少し変わって見えるようになりました。
明日からの仕事も、もうひとふん張りできそうです。まだ見ぬ後輩の喜ぶ姿を想像して。
(この記事は「~オトナ度ちょい増しTV~おとな会」2016年5月11日放送分を元に構成しました。編集:日経トップリーダー)

『五感経営 ― 産廃会社の娘、逆転を語る』が好評販売中です。
日経ビジネスオンラインの好評連載「ドラ娘がつくった『おもてなし産廃会社』」に、大幅に加筆、編集しました。
名経営者による「会社見学記」も掲載
「肩肘張らずに自然体。それでもなぜ胆が据わっているのか」
――伊那食品工業株式会社 取締役会長 塚越 寛氏
「後継者にしたい娘ナンバーワン、優しそうに見えて実は……」
――星野リゾート代表 星野 佳路氏
<主な内容>
【CSV編】グローバルに考え、ローカルに行動する
【リーダーシップ編】しつこいトップダウンに始まり、おおらかなボトムアップに至る
【競争戦略編】値決めは経営。安売りは断固、拒否します!
【人材教育編】「自分で考える」のは面倒くさい? 仕事の醍醐味を伝える
【キャリアアップ編】「社長=父」、この繊細にして偉大な上司の生かし方
【ワークライフバランス編】バツイチのワーキングマザーが、心の安らぎを取り戻すまで
【コミュニケーション編】社長業は、社員とのあいさつ一つから真剣勝負
エピローグ ―― 笑われてもなお、夢を描き続ける
Powered by リゾーム?