この連載では、関西ならではの着眼点、ど根性、そしてユーモアなど、独自の手法で成功した「ナニワ的」企業を取り上げてきました。特別編の今回は、経営コンサルタントの小宮一慶氏に、MBS(毎日放送)の上泉雄一アナウンサーが関西企業の強さについて聞きます(前回の記事はこちらをご覧ください)。

上泉:こうして関西の社長さんというかナニワの社長たちを見ていくと、東京の経営者とは何か違う感じがあるんでしょうか?

小宮:うーん。気質的なものはあるかもしれないけどね。そういう捉え方をせずに成功してる経営者という見方をすると、やっぱり皆さん熱心だし、マジですよね。

上泉:それは別にナニワの社長やからというわけではなく?

小宮:そやね。関西人、特に大阪人はざっくばらんなところがあるんで、分かりやすいというのはあるよね(笑)。

小宮一慶(こみや・かずよし)
経営コンサルタント。小宮コンサルタンツ代表取締役。TV番組「おとな会」にはレギュラーコメンテーターとして、上泉雄一アナウンサーとともに出演している。1957年大阪府堺市生まれ。81年京都大学卒業後、東京銀行に入行。米ダートマス大学タック経営大学院に留学しMBAを取得。退行後、コンサルタント会社などを経て、95年に独立。2014年に名古屋大学客員教授に就任。著書は『成功する人のすごいマーケティング』など多数。(写真:菅野勝男、以下同)

上泉:会社の成功パターンっていくつかあると思うんですが、ひとつは老舗がどん底を見てそこからV字回復をしていくというのがありますよね。

人は行きつくとこまで行かなければ変われない

小宮:そうそう。やっぱり人間ってね、行き着くとこまで行かないと変われないというのがあるんですよ。社長も社員たちも。それに、どん底を見た経験を生かすということもある。反対にダメな人は何回も同じ失敗をする。あの松下幸之助さんは「七転び八起き」という言葉が嫌いやったらしいよ。なぜかというと、なんで7回も転ばなあかんのかって(笑)。意地汚いようでも1回転んだら必ず何かをつかみなさいと。真剣勝負なんだとね。

上泉:番組で取り上げた伝統ある会社が今まであったものを全て投げ打って新しい挑戦をするケースがありますよね。例えば、ヤマロク醤油もそうでしたが。

小宮:ああ、小豆島のヤマロク醤油ね。

上泉:あそこは売り上げの大半を占めていた、質が見劣りする製品を思い切って中止。こだわり木桶を使用した醤油造りに勝負をかけブランド化して成功したんですよね。老舗が今まであったものをやめてリセットするというと、それを実施する世代の人にとっては大変な作業だと思いますが。