それでは、「本物の日本茶を美味しく飲んでもらいたい」と品質には徹底的にこだわりながら常に新しい挑戦を続ける、丸久小山園の「おとなメソッド」をひも解いていきましょう。

【丸久小山園「品質と挑戦・二人三脚」の成功メソッド】
【メソッド1】敢えて(???)に出店
【メソッド2】社長の(???)による品質管理
【メソッド3】新しい(???)への探究心
【メソッド4】(???)世代に日本茶をアピール

 では、まずメソッド1を見てみましょう。

【メソッド1】敢えて(???)に出店

 

 京都市中京区にある、日本茶カフェである茶房「元庵」は、店内の手前が販売スペース、奥が喫茶スペースとなっています。では、なぜ宇治茶の老舗が「日本茶カフェ」をオープンしたのでしょうか?弟である専務の俊美さんは「自分たちのお茶の味を分かってもらいたいんです。来ていただいたお客さんに本当の美味しいお茶を飲んでいただきたいんです」と熱く語ります。

丸久小山園が開いた茶房「元庵」
丸久小山園が開いた茶房「元庵」

 お茶はその種類によって美味しく飲める温度が違っていて、入れ方によって味が全然変わるんだそうです。
 例えば、日本の家庭で最も馴染み深い「煎茶」(700円=税込、以下同)。
 こちらは熱湯で入れると苦味や渋みが強くなりすぎるため、75~85℃くらいのお湯で入れるのが1番美味しく飲めるそうです。
 一方、「ほうじ茶」(600円)は、湯気がたっぷり出るほどの熱湯で飲むと、香ばしい香りが楽しめ、より一層美味しいんだそうです。
 「ほうじ茶」とは逆に、低い温度40~60℃くらいのぬるめのお湯で入れた方が美味しいのが「玉露」(1200円)。
 まったりとした旨みが特徴で、熱い温度では苦味が出過ぎてしまうそうなんです。
 もちろん「抹茶」(700円)も人気のメニューです。75~85℃で入れるとさわやかな香りと濃厚な甘みが楽しめます。
 茶葉によってこんなにも適温が違うんですね。

 さらに、適温以外にも、お茶を美味しい状態で楽しんでもらうためにと、「茶房・元庵」の店内はお客さん1人ひとりに目が行き届くよう座席数は12席ほどしかありません。しかし、その日本庭園を背景に和を感じさせる落ち着いた雰囲気の店内は、穏やかな時間が流れている感じがします。しかも、お店がある場所は、賑わう京都の繁華街や駅からは少し離れた場所にあるのです。専務は「お茶というものは、騒がしい場所で飲むよりも、こうしてゆったりとした雰囲気で飲んでもらった方が本来の味を分かっていただけると思うんです」と語ります。さらに「お茶の味に自信があるからこそ、たとえ駅から離れた場所や少しお高い値段でもリピーターになってくださるお客様が多いんです」とも。
 確かに添え菓子付きとはいえ、1杯700円の煎茶というのは正直「お茶でこの値段?」とお感じの方もいらっしゃるかと思いますが、実際、お茶の味に魅せられたお客様でお店は連日繁盛しているんです。むしろ、そのお値段の価値に見合う「お茶」「雰囲気」をじっくりと味わってみたくなりますよね。

【メソッド1】敢えて( 不便な場所 )に出店

 つづいてメソッド2です。

【メソッド2】社長の(???)による品質管理

 では、そのお茶に対する絶対の自信はどこから生まれてくるのでしょうか?
 それは、兄である11代目・小山元治社長のお茶作りにあります。社長は、「利き茶」の日本一を競う全国大会で史上初の満点で優勝を飾った経歴を持つ匠の中の匠。茶の色や香り、味を見極めることに関して社長の右に出る方はいらっしゃいません。社長は「お茶を作ってる限りは、飲んでいただいたお客様が、美味しかったなぁ、と言っていただけるように、その声を喜びとして、また負けないというお茶づくりをしています」。
 その言葉通り、社長はすべての茶葉のブレンドを毎日自ら行い、丸久小山園のお茶のクオリティーを保っています。

社長自らが毎日茶葉をブレンドする
社長自らが毎日茶葉をブレンドする

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