さて、ここで「近畿大学」の成功メソッドをまとめてみましょう。
【メソッド2】弱点と正面から向き合い( 英語村 )をつくった
【メソッド3】創立以来の精神「( 実学 )力」で「近大マグロ」が誕生
【メソッド4】新入生を( おもてなし )の気持ちで迎え入れる
2014年7月、新聞の全面広告に掲載された「近大をぶっ壊す」というキャッチコピーと、大きな握りこぶしが近大のキャンパスを叩き潰すイラストは、大学関係者の間に衝撃をもたらしました。

「超近大プロジェクト」と名づけられたこの企画は、近大史上最高額の400億円を投じ、東大阪キャンパスの大規模整備を計画して2020年の完成を目指すものです。2400席を備える自習室が24時間365日使える「ナレッジフィールド」、語学センターなど、国際交流の場を集結した「インターナショナルフィールド」、開放的な空間のカフェテラスとラウンジを備えた「アメニティフィールド」など、これらすべてが完成すれば日本の大学屈指の教育と研究機関となるキャンパスが完成します。建学の精神である「実学教育」はさらにここで発展していくはずです。
次につながる投資を続けていく
毎回番組では、取材の最後に、経営者やリーダーに企業理念や経営哲学を端的に語ってもらい、「おとなフィロソフィ」と名づけて紹介しています。
今回は、変わることがないと思われた大学の序列に挑み、日本一志願者の多い大学にした世耕石弘さんにその哲学「おとなフィロソフィ」を伺いました。
「儲けるではなく、健全に運用していくことによって次への投資に繋げていく。継続して投資していくことが日本の私立大学のあるべき姿やないかな、と思うんです」
確実に見えている将来の少子化で私立大学の経営はますます厳しくなっていきます。そのなかで、教育や学生の質を保ちながら「実学」の身に付いた学生を多く輩出していけば、近い将来、近大は「崩すことのできない序列」に本当に大きな風穴を開けるのかもしれません。
「ライバルが強いから……」「変えられない外部環境があるから……」。ビジネスの世界でも、ついつい弱みから目を背け、言い訳を並べてしまうことがあります。「大学の序列」という変えられない仕組みがあるなら、そこでしっかりと自分たちの弱みと向き合い克服して行きながら、さらに基本精神をしっかりと保ち続けてきた近畿大学。
「近大マグロで飲食店経営」「つんく♂さんプロデュースの入学式」は、華やかな人気取りのための「目的」で前に出たものではなく、それらは「実学教育」や「不本意入学者の支え」といった本質を突き詰める「手段」だったということがよく分かりました。
かく言う私たちの番組「おとな会」も「裏番組が強いから……」「深夜の放送だから……」など、言い訳をする要素を挙げればキリがありません。しかし、その弱みにしっかりと目を向け「それならば!」と番組を立ち上げた理念をしっかり見つめ直せば、関西発の深夜番組としてTV界に風穴を開けることができるかもしれません。
そう、このウェブ連載が、その「きっかけ」になるといいなぁ!
(今回の記事は「~オトナ度ちょい増しTV~おとな会」2015年10月21日放送分を元に構成しました)
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