【メソッド2】(???)の悪さが非日常の世界に調和
そして沿線の整備が進み、駅舎を建設すると残った資金は5000万円。
この金額では肝心の車両にお金をかけることができません。長谷川さんは『安くて、面白い車両。オンリーワンの車両』を探し始めました。列車に「安くて」は分かりますが「面白い」って!さすが関西の社長ならではの表現です。そこで目をつけたのがトキ25000形貨物という中古の貨物車でした。これに椅子や窓を取り付け客車に改装します。

「窓は民家のものを代用したので走ってる最中に開くんです!エアコンもありませんので夏は暑い、冬は寒い。乗り心地悪い、うるさい、足元は透けて見える、もう最悪です(笑)。でも、これが郷愁を誘って非日常を楽しんでいただけるんです!」

実際に乗ってらっしゃるお客様は、美しい景観を楽しんでいるかと思うと、トンネルに入って突然真っ暗に。「うわぁー!」という歓声をあげて大騒ぎ。まるでテーマパークのアトラクションを楽しんでいるかのようです。結果、大自然を五感で味わえる観光列車となりました。
【メソッド2】( 乗り心地 )の悪さが非日常の世界に調和
お金がない中で、次に取り組んだのは、住民を巻き込んだ取り組みでした。
【メソッド3】地域住民と(???)が路線の名所に
その大自然の景観は保津峡だけでなく、線路沿いの桜や紅葉など7000本の木々たちが季節を彩ります。この木々もはじめは長谷川さん始め、社員の皆さんが線路を整備しながら植えていったものでした。
春には桜、秋には紅葉、7000本の木々がお出迎え
「3年で終わるなら何か残そうじゃないか!その思いですよ。この木も最初は直径2センチくらいやったんですけどねぇ」と、26年が経って直径30センチを超える幹に成長した桜を、目を細めながら愛おしそうに撫でる長谷川さん。そして線路を整備し木々を植える社員の姿は、地域の住民の皆さんの心を動かし、その活動に参加することになりました。

中には、おじいさんの形見の桜だったり、亡くなった息子さんが植えていた桜を植樹される方がいたりと、住民の皆さんの思いが詰まった木々が植えられています。
今では、その木々は春には満開の桜、秋には燃えるような紅葉となり人々が息を呑むような景色を演出してくれています。
【メソッド3】地域住民と( 植えた木々 )が路線の名所に
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