ところで、粟おこしと並ぶ代表的な商品の岩おこし。両者の違いは何でしょうか?
江戸時代中期、運河を作るための水路工事で岩を掘り出すことを「岩おこし」と言ったそうです。そこで、大阪の発展を象徴する手土産として、米をより細かく砕いて硬い触感にし、ショウガを加え岩おこしとして売り出しました。
そう、岩おこしは「もっと硬いお菓子があったらオモロイやん!」というシャレで作られた商品でもあったのです!
「粟おこしでも相当固いと思うのですが、それを上回る硬さのおこしを作るなんて、大阪人はオモロイなぁと思います」と、ご先祖様の遊び心に苦笑いの小林さん。そんな由来があったとは、筆者も知りませんでした。
【メソッド1】( 美味しさの追求 )が200年の伝統を守った
次はメソッド2を見てみましょう。
【メソッド2】社運をかけた(???)おこしを開発
そんな、あみだ池大黒の「おこし」ですが、時代の流れとともに"おこし離れ"に襲われます。売り上げは、30年前のピーク時からおよそ半分に落ち込んでしまいました。
そんなある日のこと、小林さんがさらに危機感を持つ出来事がありました。一体何だったんでしょうか?
なんと社長夫人が他社のお菓子をお土産に
「我が家でも、妻が『ママ会』に参加するときの手土産に、当然、我が社の商品を持っていくかと思いましたら、なんと他社さんの商品を持って行きまして……。身近な家族が、身近な方への手土産にできる商品になる必要があるな、と思いました」
お気持ち、本当によく分かります。
このままでは「おこしの未来はない」と感じた小林さんは、2009年、自ら「新しいおこし」の開発に乗り出しました。プロジェクトメンバーは、社長を入れてわずか3人。まず、洋菓子とおこしのコラボレーションから考えました。
「木苺やブルーベリーなどフルーツと合わせてみたんです」
なるほど。よい感じですね!
「でも、合わないんです」
え、そうなんですか?
「白ごはんにフルーツを乗せて食べるイメージなんです」
そうでした! おこしの主原料はお米でした。さらに、手土産として使ってもらうには「味の変化が少なく、日持ちすること」も大切なんです。
開発期間1年半、試作を繰り返すこと400回以上。ついに、2011年、創業200年の意地をかけてあみだ池大黒に新しいブランドが生まれました!
その名も「ポンポンジャポン」。
カラフルな包装紙に包まれ、形状も従来の板状ではなく子どもでも食べやすい一口サイズで、今までのおこしとは全くイメージが違います。

味も、いちごみるく、アーモンドが入ったコーヒ―風味、さらには、男性にもおすすめのカレー味など12種類。それでいて、ベースにお米を使ったおこしの伝統はしっかり引き継がれています。
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