【メソッド3】(???)が一体となり村の魅力をPR
「星空ナイトツアー」が誕生したことで、村に元々あった温泉宿にも、変化が生まれました。
「旅の玉手箱 おとぎ亭」という宿を経営する熊谷安博さんは「今までは、1泊のお客様が主流だったのが、2泊、3泊という方が増えてきました」と話します。なぜだかお分かりですか?
そう。雨や曇りで星が見られないことを想定して「確実に星が見たい」というお客さんの宿泊数が増加したんです。かく言う筆者も2泊しました。実際、1日は不安定な天気でしたので、2泊で大正解でした!
週末には宿の稼働率は90%にも
4~10月のナイトツアー開催中の週末は、20軒ある宿すべてが稼働率90%という盛況ぶり。この数字は、確かに驚きです。
お客さんに「ナイトツアー」をより楽しんでもらいたい!と、独自のサービスをはじめる旅館も出てきました。ツアーに手ぶらできてもいいように、双眼鏡や星座早見表などに加えて、山頂で寝転がるためのシートや寒さ対策の寝袋など星空観測グッズを宿泊客に無料で貸し出したり、さらには、ツアーの時間に合わせて夕食時間を1時間繰り上げて夕方5時から提供するサービスや、ゴンドラ乗り場まで各旅館がバスで送迎したりするようになりました。

「今でこそ言えますが、星空なんかで商売ができるのか、旅館を経営している者は皆、不安でした」と、熊谷さん。
それほど、村の皆様の間では「星空」は当たり前のものだったのですね。
「しかし、松下さんはアイデアマンで、僕らは彼のやることに付いていこうとなったんです」とも話します。
順調に観光客が増える一方で松下さんには悩みがありました。
「実は、ナイトツアーや温泉のお客さんは増えているのに、地元の商店までなかなか足を運んでもらえていないことが分かったのです。
そこで阿智村を、「星の村」としてさらに盛り上げるために、松下さんは、観光客が喜ぶあるものを作りました。ガイドセンターで換金できる「スターコイン」という地域通貨です。
1スターは500円。このスターコインを使えば、あるお店では、お土産の和菓子540円が1スター(=500円)で買えたり、中には800円のランチが、1スターで食べられるお店があるなど、観光客はとってもお得。スターコインの導入により、地元の商店でもお金が消費されるようになりました。
さらに役場も、村をあげて星をPRできないか?と、星空がディスプレーされた「ご当地ナンバープレート」を作成したり、カップル向けに星空がデザインされた婚姻届を作りました。
官民一体となって「星空の村」をPR。その効果もあって阿智村の名前は全国に知られるようになったのです。
【メソッド3】( 官民 )が一体となり村の魅力をPR
では、ここで「阿智村」のメソッドをまとめてみましょう。
【メソッド2】星空ビジネスで新たな( 雇用 )を生んだ
【メソッド3】( 官民 )が一体となり村の魅力をPR
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