狙いが、的中します。
お客様は、気になっていた家具もしっかり見てくださっていたんです。引っ越しや、部屋の模様替えのときに、せっかくならリビングハウスで買おう! と。
横ばいだった売り上げは、この頃から急上昇。北村さんが社長に就任した以降は売り上げが4倍に伸び、23億円に届くまでとなりました。業界全体の縮小傾向から考えると、驚異的な数字です。
会社の経営危機を救ったのは、意外にもスリッパだったのです。
さらに、リビングハウスが家具を買いに来たお客様に、特に力を入れているのは「3Dコーディネート」。お客さんから提供されたリビングの図面を元に3Dのコンピューターグラフィックを作成します。そこに、購入予定の家具のサイズや色などをはめ込んでいくと、CG画像で部屋のイメージを確認することができるのです。ワンクリックで、色も変えられるので、比較も簡単ですよね。こうして事前にシミュレーションすれば、買ったあとで色目やサイズ感の失敗がなくなります。お客様の表情を見ていても、イメージが具体的に湧いているのがわかります。
「私たちの強みは『接客提案力』だと思っています。しっかりお客様の声を聞き取って、提案させてもらっています」と北村さん。客さんに寄り添う親身な接客サービスに力を入れてきたことで、リビングハウスはますます人気となりました。
【メソッド1】オシャレな( スリッパ )で顧客を獲得
次はメソッド2を見てみましょう。
【メソッド2】業界初の(???)で買い替え促進
社長就任後、会社を急成長させた北村さんは、あるものにヒントを得た新しい販売方法も取り入れました。それは「スマートフォン」でした。
スマホをお手本にしたら家具が売れた
北村さんは「スマートフォンは実はいいお値段がするのに学生さんでも買えるのは、分割をしているからです。家具にはそういう仕組みがなかったので、お手軽に買ってもらうことができなかったんです」と話します。
そこで、北村さんは家具の分割払いを始めてみました。また、20回までは分割手数料も取らないことでより手軽な買いやすさをも提案したのです。
たとえば17万円のソファーを購入するとき、20回払いを選ぶと1回あたりの支払いは8500円。月々のスマホ代と変わらない料金で購入することができます。気に入ったソファーでも、今すぐに17万円は厳しい時ってありますよね。そんな時には、とても便利だと思います。

こうした販売方法を採用した根底には北村さんのある思いがありました。
「日本では、家具は一生モノのイメージがあるんです」
確かに、筆者にも家具を頻繁に買い換えるというイメージはありません。
「ところが、ヨーロッパでは家具は5年に一度くらいのペースで買い換える方が多いんです」と北村さん。結構なハイペースのイメージです。
西洋と同じように日本でも、気軽に家具インテリアを買い換える文化を根付かせたい。その下地を作るために、消費者が買いやすいシステムの必要性を考えていました。
2015年に初めて導入した分割払いシステムは、今ではおよそ1割の人が利用するようになったそうです。これをきっかけに、気軽に家具を買い替えるお客さんの獲得に成功しました。
【メソッド2】業界初の( 分割払い )で買い替え促進
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