関西ローカルながら、不思議な人気を持つテレビ番組「~オトナ度ちょい増しTV~おとな会」。そこでは、独自の手法で成功した会社などが取り上げられています。関西ならではの着眼点、ど根性、そしてユーモア、そのエッセンスを伝えています。

 第40回は、日本における家具の価値観をも変えようとするナニワの家具店「リビングハウス」の挑戦をお送りします(前回の記事はこちらをご覧ください)。

 こんにちは。大阪はMBS(毎日放送)のアナウンサー上泉雄一です。私は今「~オトナ度ちょい増しTV~おとな会」(水曜深夜0時59分から放送・関西ローカル)という番組の司会をしております。

 49歳になった筆者も、いつの頃からか「スパゲティ」を「パスタ」と言う事に違和感がなくなりました。ご承知のように、「パスタ」という大きなカテゴリーの中に「スパゲティ」がありますが、子どものころは全部ひっくるめて「スパゲティ」って言ってましたよね。おそらく昔は専門店でもなければパスタの種類も豊富になかったような気もしております。

 さて、そんなパスタを自家製で出してらっしゃるのが大阪・北浜にある「自家製パスタ 竹井屋」です。ランチタイムは女性のお客様を中心に大賑わいですが、もちろん男性のお客様も気兼ねなく入れるお店です。

生パスタのモチモチ感で口の中が幸せいっぱいに
生パスタのモチモチ感で口の中が幸せいっぱいに

 「生パスタ」を謳うこのお店では、パスタの食感に気持ちよいくらいの「モチモチ感」があります。ランチタイムはスペシャルランチを加えた5種類のメニューから選ぶことができますが、お店のイチ押しは定番の「自家製燻製ベーコンのカルボナーラ」。そのモチモチのパスタが濃厚なソースにしっかりと絡まり、お口の中が幸せ一杯になります。自家製のベーコンがいいアクセントとなってどんどんとお箸が、いや、フォークが進みます。筆者は中央の卵は断然「途中で潰す派」。自身のいい頃合で、ぷちゅりとフォークの先で半熟の卵を潰すと、とろりとした黄身が、またこれもモチモチのパスタに絡んでくれます。

 ちなみに、パスタは「リングイネ」と「スパゲティ」からチョイスできるので、メニューに合わせてお好みで楽しんでください。

 バケットとサラダがついて、お値段900円はお値打ち十分。パスタは大盛りや超得盛を追加で選べますが、モチモチ食感のパスタですから、普通に十分満足できます。お腹までモチモチになりすぎませんように!

街の家具屋さんは最盛期の5分の1以下に

 皆さま、家具の買い替えってなさいますか?

 最近の住宅事情では、マンションに限らず建売の住宅においても収納スペースは意識して大きく取られるようになっていて、「大きなタンスをイチから揃える」なんてことはなくなってきました。

 その傾向は数字にも如実に表れています。1980年代前半、国内では家具専門店が3万軒を超えており、市場は2兆7000億円ほどの規模がありました。そこから徐々に縮小を始め、2010年代に入ってくると、専門店は5300軒、6000億円規模となりともにピーク時から激減をしています。「ニトリ」や「IKEA」に代表される大手業者はさておき、「町の家具屋さん」がどんどん少なくなっている印象は否めません。

 そんな厳しい環境のなか、停滞していたにもかかわらず急成長した「町の家具屋さん」が大阪にあるのをご存知ですか?

 人気の秘密はなんといっても流行に敏感で、最新のトレンド家具をさまざま取り揃えていること。ですが、これだけではありません。こうした品揃えだけでなく、これまでの家具業界の常識を覆すような戦略を矢継ぎ早に繰り出し、会社を急成長させた方が、本日の主人公である「リビングハウス」3代目社長の北村甲介さんです。

<table><tr><th colspan="2">「リビングハウス」DATA</th></tr><tr><td>・創業</td><td>1942年3月</td></tr><tr><td>・年商</td><td>24億(2017年6月末現在)</td></tr><tr><td>・社員数</td><td>138名</td></tr></table>
「リビングハウス」DATA
・創業1942年3月
・年商24億(2017年6月末現在)
・社員数138名

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