この取り組み、始めた年にいきなり結果が出ました。年間20日ほどだった施設の利用日数は、年間250日にまで増えたのです。

 一方で、必要な環境を無料で提供する代わりに、滞在中、観光客や市民が、創作活動を見学できたり、参加できるワークショップを開いたりという条件をつけたことで、ここを目指してくる観光客も増えました。

 さらに、観光客や、市民が気軽に参加できるダンス教室も開催。地元の子どもから、お年寄りまで、約80名が参加したコミュニティーダンスの公演も開催し、多くの人が詰めかけました。

 日本唯一と言われる舞台芸術専門施設のおかげで、世界中に城崎をPRできたのです。

【メソッド3】( アート )の力で「キノサキ」を世界にPR

では、ここで「城崎温泉」のメソッドをまとめてみましょう。

【城崎温泉の「集客」メソッド】
【メソッド1】繁忙期と閑散期の差を( 外国人観光客 )で解消
【メソッド2】城崎限定の( 小説 )で新たな客層を獲得
【メソッド3】( アート )の力で「キノサキ」を世界にPR

 毎回番組では、取材の最後に、「おとなフィロソフィ」と名づけて、経営者やリーダーに企業理念や経営哲学を端的に語ってもらっています。

 オフシーズンに訪れる人を増やす事なんか到底できないと誰もが思っていましたが、実際は違いました。歴史に甘んじることなく、常に新しいことに挑戦しているからこそ、輝き続ける「城崎温泉」。市長の中貝さんに「おとなフィロソフィ」を伺いました。

グローバル化が進めばローカルが輝く

 「ズバリ! ローカル&グローバルです。世界は急速に同じ顔になっています。同じ商品、同じ景観が広がりつつあります。文化がつまらなくなっています。そこでグローバル化が進めば進むほど、地域固有のものが輝くチャンスに繋がると思います」

 テレビをご覧の皆様から「どの番組を見ても同じようなものばかりでテレビがつまらなくなった」とのお声を耳にします。現場は一生懸命でしょうが、ヒットした企画があれば似たような企画が続くこともあるのも事実です。こんな時だからこそ、周りに流されることなく、改めて「地域固有」のものとして番組を作っていきたいと考える筆者でした。

(この記事は「~オトナ度ちょい増しTV~おとな会」2016年12月21日放送分を元に構成しました。編集:日経トップリーダー)

25年ぶりにセントラル・リーグで優勝した広島東洋カープ。長きにわたった不振のトンネルを抜け、なぜ復活できたのでしょうか。その間、勝っても負けてもファンはこの球団を応援し続けました。なぜカープはこんなにも愛されるのでしょうか。日経BP社では、松田元・カープオーナーへのロングインタビューを基に、その舞台裏を探る『広島カープがしぶとく愛される理由』を発売しました。

<主な内容>
  • これからも、カープの強さは続くのか?
  • 「(日本シリーズに)負けて良かった」と言うファンの真意
  • 球団の歴史から見る、「カープ愛」の源泉
  • 勝った翌日に記念Tシャツを売りたくて自社工場を作りました
    ヒット連発! カープグッズのつくり方
  • 主役は選手ではなく「お客さん」
    「また来よう」と思わせるマツダスタジアムの魅力
  • 江夏、津田、黒田、新井、野村……カープの男気たち
  • 原石を選ぶスカウトの選球眼
  • スポーツジャーナリスト 安倍昌彦氏(寄稿)
  • カープをもっと好きになる厳選グッズ、書籍 ほか
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