【メソッド2】(???)で日本酒の楽しみ方を伝える

 食中酒として日本酒を味わう楽しみを、もっと知ってほしい!
 そんな山中さんの思いから、やまなかでは月に1回のペースで酒と料理のイベントを開いています。普段、店に中々来られないという人のためにイベントは週末の午後に行われることが多いそうで、全国各地からお客様が集まります。

 テーマも「大吟醸の熱燗と、それに合う料理を楽しむ」とか、杜氏さんを招いて「SAKE STUDY・日本酒が生まれる源泉【稲】の魅力」など、お酒と料理を楽しめる内容になっています。イベントには毎回山中さんも参加して、お客さんとの交流を持つことも楽しみの1つだと言います。イベントに訪れ、日本酒と料理を一緒に楽しむことを知ったお客さんが、後日、改めて居酒屋へ足を運ぶこともよくあるんだそうで、お客さんに日本酒の楽しみ方を知ってもらう工夫を続けています。

【メソッド2】( イベント )で日本酒の楽しみ方を伝える

 続いてメソッド3です。

【メソッド3】(???)を楽しむための空間づくり

 最高の状態で提供するための徹底した品質管理をする。これこそ、やまなかが全国の日本酒ファンや蔵元から信頼される理由でもあります。

 日本酒と料理を最高の状態で味わってもらうために山中さんがもう1つ大切にしていることがあります。それは「居心地の良い空間」。

家で飲んでいるようにくつろいでほしい

 山中さんは「居酒屋はいろんな人との出会いがあるんです。お店とお客さんとの会話があれば、お客さん同士の会話もあります。居酒屋って、そういう場所なんですよね」と仰います。

 分かりますね~。居酒屋って、お酒・お料理もちろんですが、同じ割合で居心地は重要な要素で、居心地悪い店は自然と足が遠のきますよね。「佳酒真楽やまなか」は、お店の入り口を開けると最初に靴を脱ぐというシステム。スリッパに履き替えてもらうのも、落ち着いて会話を楽しんで欲しいという思いから。お客様からも「家で飲んでいるリラックス感です」と大好評。さらにリラックスできる空間を!と、内装は木を基調にした優しい色合いに加えて、大きな酒樽の蓋を使ってテーブルにし、イスも「暖気樽」と呼ばれる小さな樽にクッションを乗せて再利用するなど日本酒ファンの心をくすぐる演出もあります。

店内の椅子やテーブルには日本酒づくりの道具を再利用
店内の椅子やテーブルには日本酒づくりの道具を再利用

 従業員の皆さんも、酒や料理の説明から、何気ない世間話までお客さんが居心地良く過ごせるように心がけているということですから、そりゃ、居心地もいいはずです。心地よい空間なら会話も弾み、酒も進む。「空間」「会話」「料理」。美味しいお酒にとって大事なことです。

【メソッド3】( 会話 )を楽しむための空間づくり

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