「商品は同じでも、紹介方法の切り口を少し変えるだけで売り上げが大きく伸びることがあった」とジャパネットたかたの創業者、髙田明氏は指摘する。「イノベーションを起こさねば」と構える必要はない。今やっていることにほんの少し何かを足したり、アレンジしたりするだけでも案外、大きな変化が生まれるという。 『髙田明と読む世阿弥』を著した髙田氏(自著を紹介する下記の動画をぜひご覧ください)が、能の世界に革新をもたらしたイノベーター世阿弥の言葉を、事例を交えながら解説する。
心機一転、新しいことに挑戦しよう。そんなとき、とかく人は従来と180度違うことをやろうとしてカベにぶつかります。でも、今やっていることにほんの少し何かを足したり、アレンジしたりするだけでも案外、大きな変化が生まれるものです。
そうやって異なる切り口を創造したり、ほんの少し手を加えたりすることも、私たちはときにイノベーションと呼びます。日々の仕事や生活の中に小さくともイノベーションを生み出し続けることは間違いなく人生を豊かにしてくれるでしょう。
「花と、面白きと、めづらしきと、これ三つは同じ心なり」(『風姿花伝』)第七別紙口伝)
花とは舞台上での魅力のことで、能にとって最も大切なもの。だからこそ花は常に面白く、新鮮でなければならないと世阿弥は伝えています。
人を引き付けるには、常に目新しさを演出することが必要になります。とはいえ、世阿弥は「これまでにないものをゼロからつくり続けよ」と言っているのではありません。
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