(写真:PIXTA 写真はイメージです)

 社長就任後、新卒採用の最終面談に同席している。探しているのは即戦力ではない。将来にポテンシャルを感じる人材、究極的には自分の後継者だ。未完成の若者の資質を見極める「とっておきの質問」とは?

 新卒採用の改革に乗り出した2016年、私の頭の中にはいつものあのフレーズがありました。

 「ここがヘンだよ、エステーさん」

 社長とはいえ入社からまだ6年、私が最初に「ヘンだな」と感じたことは会社にとって大切な改善点であり、自分の持ち味が生きる問題意識です。

 それまでエステーで、新卒社員の選考に社長が関わることはありませんでした。人事部中心に面接を実施。最終面接の決定権は人事担当役員クラスにありました。

 一方で、中途採用には社長が深く関与していました。最初から要職に就くことが多い分、新卒採用より重視されていたようです。

 しかし、新卒社員はエステーの将来を担う大切な人材です。私は会社の“資産”となる若手社員を自分の目で選びたい。そこで社長就任3年目から、新卒採用の最終面接の席に並ぶことにしました。

即戦力だけではもたない

 面接を始めてもう一つ「ヘンだな」と思うことがありました。

 それは、面接を担当する社員が皆、自部門の現場にマッチするような人材だけを求めている点でした。例えば営業部の人は、取引先にすぐ気に入られそうな体育会系で礼儀正しい学生を採りたがります。ほかの部門も同様で、現場ですぐに活躍できる人材かどうかを見ています。

 確かに即戦力は必要です。しかしそれだけを採用の基準にしていては、会社は長続きしません。

「これはまずい」

 私は背筋が凍りました。