シニアの給与もアップ

 

 こうして若手社員が自信を付け、中堅社員が自分の意見を口にするようになった。けれどそれだけでは物足りない。その声を年上の幹部やシニア社員にしっかり受け止めてほしい。的確な助言や刺激を与え、一丸となって新たな発想を生み出してほしい。

 ではどうするか。エステーでは、給与制度を大きく変えていきます。挑戦する姿勢と成果で人事評価し、給与を上げる。そんな新しいルールをまずは部長級の幹部から適用。さらにシニア社員や新入社員に広げます。昇給のチャンスを定年まで正社員に等しく与え、モチベーションを維持、向上する狙いです。

 このように今、あらゆる世代に目配りして人材の活性化を図っています。それはなぜか。

 時代が大きく変化しているからです。価格の競争から価値の競争へと。では、価値の競争を勝ち抜くには何が必要か。

 イノベーションです。イノベーションというと、高度な技術革新を想像する人もいるかもしれませんが、実のところは、既存の何かと何かの組み合わせ。経営学の世界ではそう言われています。重要なのはその組み合わせの妙。だから、世代も違えば価値観も異なる若手と中堅、シニアが対等の立場で自由闊達に意見をぶつける。そんな組織風土をつくることこそがイノベーションにつながる。私にはそんな思いがあるのです。

(構成:福島哉香、この記事は、「日経トップリーダー」2017年10月号に掲載した記事を再編集したものです)