エステーではもともと、管理職全員が集まる会議を年に2回開催しています。そのうち1回を使い、役員の推薦を受けた数組の若手社員たちに、生産性を上げた事例をプレゼンしてもらうのです。

 対象は技術職だけでなく、営業職も事務職の社員も含みます。80人の管理職を前に発表する緊張感と達成感は得難い経験です。

 それだけではありません。部下が選抜されると直属の上司はプレゼンが成功するよう、熱心に指導します。部下のプレゼン力と上司の指導力を一気に引き上げる絶好の場となっています。

チーム制で競争促す

 こうして若手社員を活性化したら、次は中堅社員です。今年から選抜を受けた幹部候補生を対象に、新たな研修を開始しました。

 研修の目的は経営視点を学ぶこと。専門講師を招き、月に1回4時間ずつ、半年間の講義を実施します。MBAさながらにフレームワークを学び、ケーススタディーを重ねる。さらにそれらを踏まえて自社の事業戦略を立案する。ここでうれしい効果がありました。

 自社の戦略立案では、4、5人が一つのチームとなり、最終プレゼンの優劣を競います。幹部候補生たちの所属部署は国内外の営業や購買などさまざま。プレゼン本番が近くなると、他のチームを圧倒しようと共有スペースで戦略を練る姿が見られるようになりました。良くも悪くも温かいばかりだったエステーの社内に、ささやかな競争意識が芽生えたのです。