70周年記念パーティーを取りやめさせた。その代わり、全社員に条件付きで記念ボーナスを支給することにした。目標の利益額を上回れば、社員全員のボーナスを増額すると約束。見事、目標を達成し、喜ぶ社員たち。その裏には、組織改革の成功があった。
営業利益の目標額を達成し、全員に「第三のボーナス」を支給した(写真/PIXTA)

 エステーは2016年に創立70周年を迎えました。周年記念行事といえば、派手にパーティーを開催するのが業界の通例です。そのため社員は、私に尋ねるまでもなく、だいぶ前から会場を確保していました。

 ですが私は社員たちにパーティーの中止を伝えました。「70という数字は中途半端だし、せっかくなら100周年のときに盛大にやりましょう」。

 私はそう社員たちに説明し、記念行事の代案を伝えました。「70周年記念インセンティブ」です。

条件付きで社員全員に

 ボーナスは通常、夏と冬の年2回、支給しています。これに加え「第三のボーナス」を特別に出すということ。ただし、条件付き。17年3月期の営業利益が目標額を上回った場合、社員全員に追加のボーナスを支払うと宣言しました。

 ポイントは「社員全員に」。これまでにエステーでは成績が良い営業部員などに限定して特別賞与を出すことはありました。ですが今回は、内勤者や契約社員も含めた600人強の社員たちに支給する。「利益が増えれば、皆の報酬が増える」とあらかじめ伝えておいたのです。 

 17年3月期、決算を締めてみれば、見事目標額をクリア。皆に第三のボーナスを支給できました。

 社員たちの喜びようは想像以上でした。実は反応が気になって、ヒアリングを行ったところ、「念願のスマートウォッチが買えました!」「ぜひ来年も」といった声が多く、社員たちの意欲に火が付いたことがうかがえました。