大変なときほど、私は自分を俯瞰して見られるからです。その方法は、「貴子ちゃん」というマンガの主人公を想像して、極めて客観的に、「貴子ちゃんは次にどう動けばサクセスストーリーになるか」と考えるのです。この方法は30代後半から身に付けましたが、以降、どんなことがあっても、気持ちが楽になり、落ち込むことはありません。

 恐らく他人から見たら「大変だったね」と言われるようなことでも、「あ、またピンチきた。あ、また乗り越えた」といつしかダメージを感じなくなりました。

先達とは違うリーダーに

繁栄し続ける仕組みをつくり続けたいとガッツポーズ。(写真:小野さやか)
繁栄し続ける仕組みをつくり続けたいとガッツポーズ。(写真:小野さやか)

 経営書『ビジョナリーカンパニー』の冒頭に、異才が去った後も、いくつもの商品のライフサイクルを巧みに回して、繁栄し続ける仕組みを組織に埋め込む指導者こそが、時代を越えて生存するビジョナリーカンパニーを築く、といった言葉が書かれています。私は大いに鼓舞されました。

 今まさに、人々の価値観が多様化しています。エステーも「イノベーションを起こし続ける強くて速い組織」をつくらなければ生き残れません。幸いなことに、16年4月から12月は、9カ月だけで見れば過去最高益を出すことができました。私は、社員全員で、組織強化に向けてまい進する会社を目指し、先達とは違う手法で強いリーダーシップを発揮したいと考えています。

(構成:福島哉香、この記事は「日経トップリーダー」2017年1月号に掲載したものを再編集しました)

「日経トップリーダー」ではエステー、鈴木貴子社長のほか、オリックスの宮内義彦シニア・チェアマン、木村清・喜代村(すしざんまい)社長、川淵三郎・日本サッカー協会最高顧問、津村佳宏・アデランス社長らを講師に招き「プラチナフォーラム2017 経営者懇談会」を開催します。日経トップリーダープラチナ会員の方は無料で参加いただけます。詳細はこちらをご覧ください。