「皆さんの努力でこのたび、ある商品カテゴリーで返品処分のコストが2億円減りました。考えてみてください。2億円の利益を出すのにどれほどの努力が必要か。返品を減らすことで、それと同じだけの成果が上がったのです」
成果の共有は何よりの説得力になります。「返品を減らす商談に行こう!」。こんな掛け声が社内で聞かれるようになりました。
現在エステーの商談には、売り上げを伸ばすためのものと、返品を減らす目的のものとの2種類があります。
実は今日も支店長会議がありましたが、各支店長から今期の目標として、返品率を何%から何%に下げるという宣言が相次ぎました。数年前はなかったこと。ぐっと細かな収益構造にまで踏み込んだ目標設定へと変わったのです。
メーカー1位の評価獲得
2016年12月、思いがけずうれしい出来事がありました。毎年、首都圏の日用品卸の組合が実施している主要メーカーの評価アンケートがあります。そこで初めてエステーが1位に選ばれました。昨年7位からの急浮上です。
アンケートの評価項目は、「店頭価格安定度」「返品対応満足度」「販促金透明度」「売上貢献度」「利益貢献度」で、それぞれのポイントの合計点で順位が決まります。
エステーは今回、特に「返品対応満足度」に対する評価が高くて1位になりました。
かつてはリベートを多く払うメーカーが上位にきていたとも言われるこのランキング。卸とメーカーの関係性を変え、業界の健全化にも貢献できた気がします。
(構成:福島哉香、この記事は、「日経トップリーダー」2017年7月号に掲載した記事を再編集したものです)
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