2013年、エステーの社長に就任した鈴木貴子氏。
当初は“三重苦”からのスタートでした。「カリスマの後継」「予期せぬ昇格」「業界未経験」――。
会長のおじ、鈴木喬氏は、“ユニークなキャラクターと業績回復”の実績で知られた名物経営者。その喬氏から、突然の社長就任の打診を受けます。引き受けたものの、貴子氏はエステーの主力である日用雑貨の世界ではまったくの素人。頼りになるのは、自分で切り拓いたキャリアで得てきた経験の数々でした。
そんな貴子氏のモットーは「プロとして役を演じきる」。
就任3年目で9カ月間では過去最高益(16年4~12月)を叩き出した女性経営者が「笑顔のリーダー学」を語ります。
シリーズ
エステー鈴木貴子の社長は演技力!

完結
11回
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“脱マンネリ”の研修改革
有意義な人材開発に投資したいという思いから、社長就任3年目で社員研修の改革に乗り出した鈴木貴子社長。社長と部門横断のチームメンバーが話し合った結果、過去の研修の“抜け・漏れ”が分かった。社員の思わぬ成長を招いた研修内容と…
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採用面接で社長が聞くラストクエスチョンとは
新卒採用の最終面談に同席する時、社長は学生の何を見極めるのか。欲しいのは「すぐに」現場で活躍できる人材ではない。鈴木貴子社長は「究極的には自分の後継者になり得るか」だと話す。
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老舗企業に気鋭の世界的デザイナーがやってきた
過去最高益を達成したエステーをけん引するのは、売り上げの4割を占める消臭芳香剤部門。モデルチェンジを手掛けたのは人気デザイナーの佐藤オオキ氏。2人が当時を振り返り、長く続く企業のあるべき姿を語り合う。
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エステーの「温かな企業風土」に危機感
互いを思いやる温かな企業風土に、危機感を覚えた鈴木貴子社長。忌憚のない意見をぶつけ合い、イノベーションを生むにはどうすればいいか。それぞれの世代に合わせた社員の人材活性化策を語る。
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「周年記念パーティーは無駄」と改革を断行
社内で改革を進める鈴木貴子社長は、70周年記念パーティーの中止を伝えた。代わりに条件付きで社員全員に「記念ボーナス」を出すと宣言。その理由とは。
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エステー鈴木社長がスナックのママに扮した理由
会社の社長や役員が素性を隠して現場に潜入する番組「覆面リサーチ ボス潜入」(NHK BSプレミアム)がある。「場末のスナックのママ、永田さん」という設定で、鈴木貴子社長は自社の現場で働くことに。そこで初めて目にした社員の…
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コスト2億円減! 流通を巻き込んだ返品削減策
返品作業所にうず高く積まれた商品。これを減らすためにはどうしたらいいのか。エステーでは、卸の担当者に向けた返品作業所の見学会を開始した。処分するためだけに集められた商品を目の当たりにした担当者たちの意識が変わった。
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尻込み社員の行動を変える4ステップ
エステーの社長に就任して4年が経った鈴木貴子社長。売り上げ重視から利益重視へと社員の意識改革を進め、18年3月期は過去最高益を見込む。変革に躊躇する社員を変えたのは、率先垂範の4ステップだった。
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報告ばかりのダラダラ会議をなくせ!
創業家から47歳でエステーに入社し最初に「ヘンだな」と感じた素朴な疑問を脳裏にメモ。それを足掛かりに社長就任後、改革を進めている。ダラダラ会議の撲滅もその一つ。部下の心理を読んで打った一手とは。
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外資系的に大げさに称賛したら部下がついてきた
株主優待で送られてくるエステーの製品を見るたび「このデザインはないな……」と問題意識を感じていました。しかし、社員は私が「デザイン性」などという言葉を口にした途端、耳を閉ざしてしまうのでした。
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何があっても私は落ち込まない
「消臭力」「SHALDAN」「ムシューダ」といった消臭芳香剤や防虫剤などを製造販売するエステーの鈴木貴子社長は、エステーを興した父、鈴木誠一の三女だ。カリスマリーダーで現会長の、鈴木喬氏の後、どんなリーダーシップをとって…
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