考えてみると、会社組織も「設計思想」の塊のようなものです。

 正直に白状すると、私はかつて、会社のガバナンスというものを理解できていなかったところがありました。

社外取締役の「設計思想」とは?

 例えば、社外取締役。

 経営陣の暴走を防ぐために必要とされ、東京証券取引所の上場企業には独立性の高い社外取締役を選任することが求められています。リブセンスも2014年に、1人選任しました。

 しかし、私には「自分が暴走する」というイメージがなかなか持てませんでした。だから、社外取締役の必要性も今ひとつ、ピンとこなかった。社外取締役も、経験豊富な大先輩に経営のアドバイスをいただくというのが主目的。一般的に言われている社外取締役の真の意味について、今ひとつ、ピンとこなかった。

 ただ、歴史を振り返れば、「自分は暴走しない」という感覚は、まったくの思い上がりだと分かります。

 私の尊敬する経営者にも、傍目には「暴走」としか思えないような理由で、その職を辞したり、解任されたりした人がいます。あんな優秀な経営者にどんな弱点があって、そんな事態に至ったのか、想像もつきません。ただ、優秀だったからこそ、自分の正義を信じて疑わなかったことが、暴走の一因になった可能性はあります。ちょっと脇道に逸れたときに修正されず、それが積もり積もって、気がつけば正しい道からはるかに離れていたのかもしれません。

 もちろん、私も例外ではないはずです。

 その事実を、まざまざと思い知らされることが最近ありました。