リブセンスは、2006年に資本金300万円でスタートしました。私がアルバイトなどで貯めた50万円に親に借りた150万円を加えて200万円、ここにほかの創業メンバーが出資した100万円を合わせて300万円です。その後は、前述の通り。金融機関からの借り入れはいまだゼロ。11年に東証マザーズに上場するまで、社外から出資を受けたこともありませんでした。

 そんなこんなで現在、自己資本比率は84%(15年12月期末)。非常に高い水準にあります。

 ただし、私が戦略的に高い自己資本比率をキープしてきたかというと、そういうわけではありません。「ガラパゴス経営」の産物であることも、前述の通りです。

手堅い財務で難局乗り切る

 昨年(15年12月期)の業績を振り返れば、9月までは、3四半期連続の営業赤字となりました。そんな局面でも、無借金経営に加えて、手厚い自己資本というバックアップがあったから、攻めの姿勢を維持できた。

 「無借金信仰」への反省はあるものの、手堅い財務戦略が冷静な経営判断を助けてくれたのも、事実です。

 前期、冷静な判断に基づいて何をしたかといえば、会社としての筋力アップです。
 第3四半期までは先行投資として人材採用に力を入れ、組織力強化に向けたベースをつくってきました。
 そして、第4四半期、本社のコールセンター機能を宮崎に移管して、生産性とサービスレベルの向上を図りました。また、ウェブ広告についても費用対効果を見極め、出稿方法を抜本的に見直しました。

 その結果、第3四半期までの累積赤字を、第4四半期で解消。15年12月期通期業績は、計画通り黒字で着地しました。

 そして今期。上期は引き続き、筋力強化です。会社全体の効率性が上がったか、新たに加わったメンバーを含め社員一人ひとりが力を出しきれているかというと、まだまだです。だから上期は、そこをしっかりやりきるぞ、と。
 筋力強化をやりきれたなら、目下、猛勉強中のブランディングにも取り組みたい。その先に、堅実派の私にとっては大きなチャレンジとなる、直感型の決断を下すべき瞬間が待っているのかもしれません。

 ちなみに、私個人の不動産購入を目的とした借金ですが、低金利を体感。「脱・ガラパゴス」の第一歩としては、なかなか良かった気がしています。

(構成/福光恵)

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