ただ、日本では築22年を超える、この方法に適した木造アパートは少ないのが難点です。減価償却制度の違いから、建物の評価が過半を占めるような物件はありません。といって、制度を曲解してゴリ押しする方法を使うのはリスクが高すぎます。そこで、海外の不動産を投資対象にするのです。

 移民で人口が増え、出生率も高い米国の西海岸には、このような物件があり、マーケットが安定しています。サブプライムローンがブームのときに価格が上がり過ぎましたが、その後、調整局面を経て再び上昇し始めており、価格は20年間で2倍のトレンドを維持しています。

 ただし、海外の不動産なのでローンがつきにくく、日本でお金を借りるほうが金利は安く済みます。法人に貯めた内部留保を経営者へ貸付金として使うのも有効な方法になります。

 法人は法人税が低い利益800万円以下にして、役員報酬を4000万円以上取っても、それに見合う不動産を買って減価償却し、所得税を減らせば手取り年収を増やすことができるというわけです。

 償却の多い不動産を有効に活用していけば、資産の形成と経営者の手取り収入(役員報酬)の増額を同時に実現できるのです。

2億円の物件の減価償却のイメージ
2億円の物件の減価償却のイメージ

経営者の退職金を増やすには

 役員報酬を増やすと、その分退職金を増やすことができます。退職金は、所得の種類でいうと給与とは異なる退職所得になります。退職所得は分離課税であり、他の給与所得などと合算して課税されませんので、年収が高い人には有利な所得です。税率が高い所得税がかからないうえ、勤続年数が長いほど、退職所得控除額も大きくなります。一般的に退職金として認められる計算方式は、次のようになります。

●経営者の退職金の計算方式
最終役員報酬×役員としての在任年数×功績倍率

功績倍率の例
社長・会長3.0、専務・常務2.5、取締役・監査役 2.0

●退職所得の計算方法
(退職金額-退職所得控除額)×1/2

退職所得控除額
勤続年数20年以下:40万円×勤続年数 20年超 :800万円+70万円×(勤続年数-20年)

 税制上有利な退職金を増やすために、やっておくべきことが2つあります。

1. 役員報酬を上げておく

2. 原資をつくる(経費として計上できて、退職金として使うときにも経費になること)

 所得税が高いからと、役員報酬を低めに設定しておくと、退職金をたくさん出せなくなります。退職金を増やすには、支払う役員報酬は多く、課税される所得は低くしておいたほうがいいのです。また原資がなければ、退職金を払えません。

 退職金の原資を準備するためには、保険を使うのが一般的です。例えば、半分の保険料が損金となる生命保険を使って、保険料を年払いで1000万円ずつ払い、解約したときに得られる解約返戻金の戻り率がピークになる時期を狙って5~10年ぐらいで解約するのです。

 保険料の1000万円の半分の500万円が毎年損金となりますから、その分、利益を減らすことができます。そして、5年目には保険を解約して、合計5000万円を積み立てていたようにして解約返戻金を得て、退職金にします。節税対策をしながら、退職金づくりをするわけです。

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