持ち家がマンションの場合、個人で取得して先ほどの譲渡所得控除を使うことも検討余地があります。しかし、含み益が出るかは確約できる問題ではないので、確実性を取るなら、法人の社宅にした方が無難です。

マンションの場合は、面積制限が異なる

 持ち家の特徴は戸建てと同じですが、面積制限が異なります。マンションの場合は99平方メートル以下が小規模な住宅になります。この際に注意していただきたいのが、マンションの場合、床面積は共用部分の持ち分相当面積が含まれることです。例えば、バルコニーやエントランスや廊下がこれに当たります。自分が住んでいる専有部分の面積が90平方メートルでも、99平方メートルは超えてしまいます。

 正確な小規模の判定は、固定資産評価証明書の現況床面積で行います。通常の専有面積の2~3割増しなので、専有面積は80平方メートル程度が限界で、物件によっては70平方メートルを切る必要があるでしょう。法人に移転する際は事前に家賃の計算にもこれが必要になるので「固定資産評価証明書を下さい」と不動産仲介の方に伝えて下さい。

住んでいる家が賃貸の場合

 賃貸の場合は簡単です。法人が借り主になればいいのです。今個人で借りているなら、法人で契約を結び直して下さい。法人が家主に支払う家賃の50%の金額と、持ち家の際に算出した賃料相当額とのいずれか多い金額が負担額になります。「小規模な住宅」であれば、家賃負担は市場家賃の2割負担ほどになることを考えると、家賃の半額負担を想定してもらえればいいと思います。

 これ以外に、自宅で事業をやっている場合、その面積を按分した家賃等相当分を事務所使用分として経費にできる件はここでは詳細に触れません。税理士さんと相談して進めて下さい。

自宅での資産形成に成功する方の特徴

 最近、セミナーを開くと少なくとも1人は自宅投資で利益を出している方が御礼に来られるようになっています。また、経営者の方は拙著をバイブルにして、キャッシュフローをよくすることができたと報告してくれます。

 こうした方々の特徴として、情報収集能力と決断力の高さが挙げられます。要は知っていることが大切で、自分の現状において取れる最適な選択肢を選んでいるだけなのです。答えは誰にとっても1つなわけではなく、自分にとっての最適があります。そんな選択の連続をしてもらえれば著者冥利に尽きます。

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