一方、法人税が将来下がるのが確定しているということは、法人の決算では利益を先送りすれば、節税につながります。

法人は税金を先送りしたほうが有利

 分かりやすく言えば、消費税が5%から8%に上がるときには、5%のうちにクルマを買い替えようと駆け込み需要が増えました。法人税率は逆に下がるわけですから、30%のときに利益3000万円を出して課税されるよりも、500万円にしておき、減らした2500万円を来期の利益に先送りして、将来課税されたほうが税額を減らすことができるわけです。このような利益の繰り延べに使う代表格が、減価償却資産です。

 利益の繰り延べ方法は、資産を取得して、その減価償却費を計上することによって利益を減らし、節税するやりかたが一般的です。

 2014年には、太陽光発電設備が最も適した資産で、一定の要件を満たせば、「グリーン投資減税」が適応され、購入した年に全額償却ができました。要件を満たす太陽光発電設備は2000万円ぐらいしましたから、通常であれば法定償却年数に分けて減価償却費を計上しなければならないところを、特例として全額を経費にすることができたのです。

 仮に法人の経常利益が1000万円とすると、2000万円の太陽光発電設備を購入すれば決算を1000万円の赤字にできたわけです。その損失分を、法人は9年間にわたって将来の利益と相殺することが可能で、利益の出ている企業にとっては魔法のような設備でした。

 これ以外に、オペレーティングリースという方法もあります。飛行機やヘリコプターを購入して貸し出し、賃借料を得るというやり方です。オペレーティングリースでも減価償却費を計上できます。飛行機やヘリコプターよりも価格が安い、海上輸送用コンテナを使ったコンテナリースという方法もあります。

 ただ、これらの方法の難点は、資産を海外の企業に貸し出すことが多くなるため、途中までのキャッシュフローは決まっているものの、最後が決まらないことです。

 例えば飛行機を海外のLCC(格安航空会社)に貸し出した場合、最後の残価がプラスになったり、ゼロになったりして、固定することができないのです。売却してお金が返ってくるときには為替リスクもあり、利回りもそれほどよくありません。毎年の決算で利益の繰り延べはできますが、賃借期間が終わる8~9年後は何が起こっているか分からないという不安があります。売却するときの価格が分からないのが一番の問題です。

4年償却不動産を法人で活用する

 償却に使える不動産の最たるものは木造の建物です。22年の耐用年数を過ぎると、簡便法で4年償却できます。購入代金の大半を4年で経費にできて、会計上はほとんど価値がなくなっているのに、買ったときとほとんど変わらない価格で売ることができるのです。このように短い期間で多額の減価償却費が計上でき、市場価値が落ちないものに対して投資することを、私は「減価償却資産投資」と名付けました。

 2億円の物件で、建物部分が60%の1億2000円であれば、4年償却の場合、毎年3000万円ずつを経費にすることができます。建物の割合が60%ではなく、80%の物件であれば、減価償却費をさらに大きくできます。

 こうした減価償却資産の需給バランスはひっ迫しているため、海外の4年償却の不動産は比較的価格が安定していて、投資リスクが少ないということも言えます。ネット利回りも5%程になり、物件によっては値上がり益も期待できます。

 海外へ持っていったお金を日本に送金することを考えなければ、為替リスクは考えなくてよくなります。むしろドルのまま持っていて、円建て資産とドル建て資産で為替の分散に取り組めば、長期的な日本円の下落リスクのヘッジにもなります。