ライセンス商品を作るメーカーの中には、カープ人気の副次的効果を感じているところもある。県内各地のお好み焼き店で使われるソースを製造販売するオタフクソース(広島市)である。

「カープの人気が県外でも高くなり、他県から試合を見に来る人が増えている。県外からの観光客の6割はお好み焼きを食べるというデータもあり、それはソースの消費とPRにつながる」と佐々木直義社長は言う。

課題は17年以降もチームの勢いが維持できるか

 中国電力エネルギア総合研究所によれば、カープ優勝の広島県での経済効果は、約340億円と試算されている。最近は広島県外の企業がライセンス商品を作ることも増えている。とは言え、従来からカープは地元に愛され支えられてきただけに、球団が積極的に展開してきたグッズが地元企業を潤すのなら、これほど美しい構図はない。不安があるとすれば、観客動員数にしろグッズ販売にしろ、16年の勢いを17年シーズン以降も維持できるかどうかだ。

 16年11月5日に広島市内で開催された優勝パレード。そこでバスに選手たちと同乗した湯崎英彦・広島県知事は「集まった人々から最も多く聞かれたのは、『ありがとう』という感謝の言葉だった印象だ。万が一、今後調子を落とすようなことがあっても、県民は多少文句を言いながらも、カープをこれまでと変わらず支え、愛し続けることは歴史が証明している」とエールを送っている。

(文:片瀬京子、この記事は「日経トップリーダー」2016年12月号を元に再編集しました)

25年ぶりにセントラル・リーグで優勝した広島東洋カープ。長きにわたった不振のトンネルを抜け、なぜ復活できたのでしょうか。その間、勝っても負けてもファンはこの球団を応援し続けました。なぜカープはこんなにも愛されるのでしょうか。日経BP社では、松田元・カープオーナーへのロングインタビューを元に、その舞台裏を探る『広島カープがしぶとく愛される理由』を発売しました。

<主な内容>
  • これからも、カープの強さは続くのか?
  • 「(日本シリーズに)負けて良かった」と言うファンの真意
  • 球団の歴史から見る、「カープ愛」の源泉
  • 勝った翌日に記念Tシャツを売りたくて自社工場を作りました
    ヒット連発! カープグッズのつくり方
  • 主役は選手ではなく「お客さん」
    「また来よう」と思わせるマツダスタジアムの魅力
  • 江夏、津田、黒田、新井、野村……カープの男気たち
  • 原石を選ぶスカウトの選球眼
  • スポーツジャーナリスト 安倍昌彦氏(寄稿)
  • カープをもっと好きになる厳選グッズ、書籍 ほか