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 神戸も横浜と同じく、開港で繁栄した県庁所在地で、やがて京阪神大都市圏に取り込まれ、中心都市の面とベッドタウンの面の両方を持つ都市、という性格も共通しています。また、街が動く現象もよく似ています。

 もともとこのあたりには兵庫津(ひょうごのつ)という港町(地図左下)がありますが、そこから少し離れた、現在の三ノ宮駅の南側に外国人居留地が作られます。兵庫津と外国人居留地の間に神戸駅が作られ、その付近の街「新開地」が賑わうこととなります。

 しかしこの新開地も、伊勢佐木町同様に戦後その一部が米軍に接収されます。戦前の間、神戸駅と新開地付近(湊川)の間で転々としていた神戸市役所も、1957年に三宮に移転し、今に至ります。そして新たな新市街地としてハーバーランドが生まれたのも、どこか横浜のみなとみらいと重なる部分があります。

新開地
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 以前は神戸の中心地でしたが、今やその名残はあまり感じられず、歩く人を見かけません。住宅が密集し、地域住民を集める小規模な商業施設があります。

三宮
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 大型商業施設から個人店まで、多くの人を集める商業施設が密集する他、オフィスや官庁も付近に多く、神戸の中心地となっています。

ハーバーランド
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 再開発された区画に、新たな商業施設が作られ、現在はイオンモール運営の「Umie」が核テナントとなっています(写真は1992年から2012年まで入居していた神戸阪急)。

時代のうねりと街の動きを見る

 こうした、時代の変化や街の動きを今に残してくれるのが、過去の写真や地図です。横浜の「横浜都市発展記念館」では、都市の変化や発展をテーマに展示、企画が行われ、多くの資料を見ることができます。

 時代の変化の前後を知る人であれば、地図や写真、その他の記録を見ることで過去の記憶を思い出すこともあるでしょう。また、過去を知らずとも、馴染みのある場所、知っている場所が、過去の姿を写真や地図で見比べて、過去から今までの大きな変化を知ることもあります。私は都市郊外で育ちましたが、住んでいた場所が農村地帯だった頃の写真や地図を見て、随分と異なる姿に興味を持ちました。そして、こうした変化を見ることで、社会や時代の大きなうねりを感じることができます。

横浜都市発展記念館」では、横浜の交通インフラとそのネットワークのあゆみを紹介する「伸びる鉄道、広がる道路 横浜を巡る鉄道網」(7月1日まで、企画展示案内はこちら)を展示中

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