自分で探そう、街の動態変化

寿町
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 寿町は日雇い労働者の多い街で、一般客にはこれまで足を運ぶことはまずない場所でしたが、やはり大きな転機がありました。2005年に「ヨコハマホステルヴィレッジ」がオープンし、ドヤ街だからこそできる安い宿泊費が魅力となって、国内外のバックパッカーを中心とした旅行者が多く訪れる宿泊施設となっています。そこに折からのインバウンドがあり、世界中の旅行者が足を運ぶ場所へと変化しているのです。

 古い街、とりわけ、従来は忌避され、あるいは人の往来が減った街に、観光やアート、リノベーションで再興を図る例は、世界中でもよく知られています。既に起こった変化は、それこそ本や記事でも学ぶことが出来ますので、今起こりつつある変化やこれから起こる変化の予兆を、自分で探してみるほうが面白いでしょう。

 ヒントは、以前中心性がある街だったことや、古くて空いた建物が多いこと、何かしらの課題を抱えていること(変化の動機があること)。同時にこうした変化を地域コミュニティや物件の持ち主が志向することも、条件となるでしょう。こうした地域を見定めたり、再興の際のコンセプトを定めるためにも、過去の資料を今と重ねて見ることで得られるヒントは多々あります。

 地図や写真を見て想像を巡らせるのも一興ですが、実際にいくつかの街に行き、その姿や印象を比べ、その違いを探求するのもまた一興です。是非、あなたの街でも、過去の資料や地図と今の姿、小さな変化やそこと似た街との比較を重ねてみてください。愛する場所の、この先の変化の萌芽が見えてくるのではないでしょうか。

 今回で短期連載は終了です。たくさんの方にお読みいただけて、今和泉さんもたいへんモチベーションが上がったご様子です。ありがとうございました。次回の“地理人”の登場にどうぞご期待下さい!

(担当編集Y)

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