この街はどこが「中心」なのか?

 よく「街の中心」「中心市街地」という言葉を耳にしますが、何があると中心市街地なのでしょうか。位置として古くから街の中心部のことなのか、官庁街か、ビジネス街か、商業施設が集中するあたりでしょうか。あるいは鉄道駅や主要道路の始点や結節点、地価が最も高い地点、という考え方もありそうです。どれが正解というわけでもありませんが、自治体が全てを総合してどこが中心市街地かを位置づけているのが一般的です。

 都市の中で、上記の要素が比較的まとまったところに集中していれば、全てを兼ね備えた市街地は賑わいが絶えず、衰退しにくくなりますが、それが災いして各施設の拡張の余地がなかったり、交通渋滞が発生したりします。かといって、拡張性の限界や交通渋滞を解消するため、それぞれの機能を離れた場所に分散させすぎると、それぞれの場所が閑散とするだけでなく、移動が増えて車を使わないと生活が成り立たなくなる、といった問題もあります。

 静岡市(都市人口70万人、都市圏人口99万人)と新潟市(都市人口81万人、都市圏人口106万人)は、2000年代中盤に政令指定都市入りした、地方都市の中では大都市にあたる都市です。

 人口規模は似ていますが、異なるのは市街地です。静岡の市街地は、交通拠点から商業施設、各種官庁が徒歩圏内に凝縮されています。一方で、新潟の市街地はそれぞれの拠点が分散し、徒歩で行くには遠い所もあります。

 静岡市は人口規模の割には商業施設が多く、とりわけ若年層向きのパルコ、丸井、モディ、東急スクエアに加え、それに引けを取らない静岡鉄道系列会社運営の新静岡セノバ、JR静岡駅ビルのパルシェ、と徒歩圏内に豊富な選択肢があります。これは全国的に見ても珍しいことです。駿府城の付近という古くからの市街地でもあり、官庁やオフィス街、古くからの店舗も徒歩圏内に密集し、市街地は多くの人が歩いています。

 新潟市はどうでしょう。古くからの市街地である古町では、新潟大和、ラフォーレ原宿・新潟といった大型店が閉店(それぞれ2010年、2016年)しましたが、商店街の個人店もシャッターを閉めた店舗が多く、客足も伸び悩んでいます。ではこの集客力がどこに移ったかというと、南東の万代シテイ周辺です。

 以前の信濃川の川幅は、この万代シテイを含むほどの広い幅でしたが、そこを埋め立てた後に新潟交通の本社や車庫が置かれ、後の1972年の再開発で生まれたのが万代シテイです。新潟駅と古町の中間という好立地を活かし、やがて新潟一の市街地となりました。ラブラ万代からビルボードプレイスにかけては新潟で最も人を集める、トレンドの先端地域と言っても良いでしょう。また、現在新潟駅は現在高架化工事中で、駅舎を含む駅空間ががらりと変わります。ここでもし万代シテイを凌駕するほどの大規模な駅ビルが生まれると、集客力の重心が移る一大事ですが、新潟市の計画を見る限りそれはなさそうです。

 続いて、もう少し少ない人口の都市圏を見てみましょう。