バス情報は高度な「編集」が求められる

 バスは鉄道に比べて、「路線や乗り場の数が多すぎる」「路線による本数や利便性の差が大きすぎる」交通機関です。これは一概に欠点ではなく、特徴でもありますが、問題は、そのあまりにも多すぎる情報量を、事業者以外は把握できず、また、必要な情報に絞って提供する工夫を怠ってきた、ということです。

 これをいかに改善していくか、そこには情報の「編集」が鍵となります。

「乗換案内」(ジョルダン)の「バスのりば」画面
「乗換案内」(ジョルダン)の「バスのりば」画面
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 こちらはジョルダンが運営する「乗換案内」の「バスのりば」案内です。渋谷駅のバス乗り場は0~72の番号が振られていますが、大きく5箇所に分けているのが「編集」の技。点在し、あまりにも多い乗り場を集約し、分類するのには大変有効です。

青森県八戸市のバス停
青森県八戸市のバス停

 青森県八戸市では、バス停案内、バスの運行体系、路線図等、それぞれ3社バラバラだったものを統合的に改善し、利便性を高めた取り組みがあります(「八戸公共交通ポータルサイト」)。

 八戸市はJR八戸駅から中心市街地まで5kmほど離れており、複数社(3社)のバスが走り、中心市街地は近い場所に異なる名前のバス停が点在し、系統数も多い、という、路線バスの課題を全て抱えたような状況でした。バス乗り場は、中心市街地に散在する複数の乗り場を「八戸中心街ターミナル」として包含し、バス停には、その乗り場に来る路線の時刻だけでなく、他の乗り場の案内を大きく載せています。

 これは、新しい施設を作るのでも、路線を変えるのでもなく、徒歩圏に点在する複数の乗り場を、1つの屋外バスターミナルと見立て、同じバス停名称に統一するという、いわば路線バス情報の「編集」です。

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