全てを載せて、シンプルに見せる
「バスマップ沖縄」。沖縄本土の4社のバス路線を横断的に掲載した他、離島の全ての路線バスを掲載しています。現地でも配布している他、Webからも閲覧することができます。
「NPO法人 公共の交通ラクダ(RACDA)」。岡山市を走る5社のバス路線を横断的に掲載しています。本数を太さで表し、同じ会社の路線を同じ色で、1本の線に集約し、線が増えすぎず見やすい工夫がなされ、海外路線図にも似た色合いの美しさも追求されています。また、系統番号のない路線も、情報整理と提案も含めて付番しているのが特徴的です。岡山市内の書店で100円で販売しています。
「Bus Service Map」。掲載した図は、首都圏でも指折りのバス路線錯綜エリア、町田駅周辺の路線図です。ここでも同じ方向の路線をまとめ、本数ごとに太さを変えていますが、バス網の広がりと頻度が一目瞭然です。この他、首都圏と関西、金沢、札幌の路線図を作り、ルートや本数が少し変われば更新する、という公共性の高い偉業を成していますが、個人が一人でしているというのが驚きです。
行政でも企業でもない、いわば第三の公共と言われるセクターは各方面で話題を呼んでいますが、バスの分野でも、全国の各団体や個人、および行政や企業と意見交換、情報交換する場が盛り上がり始めました。たとえば「日本モビリティ・マネジメント会議」や「バスマップサミット」です。
地図には情報の「編集」がなにより重要とかねてから考えていましたが、バスの路線図はその必要性の高さ、そして編集の難しさもあって、最もやりがいのあるテーマかもしれません。個人のマニアックな愛着が最も生かせる分野でもありそうです。
後編では、ウェブサービスやスマートフォンなどの「デジタル路線図」の活用で、地元を知らない人にも路線バスが使いこなせるサービスを提供している事例を見ていきます。
(後編に続きます)
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