東京の城西エリアを、東西で結ぶ池袋線、新宿線を持つ西武鉄道。その西武線沿線を南北で結ぶバス路線を運営するのが西武バスです。同社ではこうしたバス路線を「たてバス」と呼び、バスの車内に位置関係が分かる路線図を貼っていました。現在は「たてバス」という呼称が駅探の登録商標となり、西武バスは「乗り継ぎ早わかり図」と改称しましたが、同様の動きが他社でも広がっています。同じエリアの関東バスの案内図と合わせてご覧いただきましょう。

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 この図を見ると、西武線新宿線から西武池袋線、JR中央線の間は意外と近いことが分かります。新宿、池袋を鉄道で大回りするより圧倒的に早く、太字の路線であれば10分以内に次の便が来るので、非常に便利な路線と言えるでしょう。こうした鉄道沿線間のショートカット路線は、東京都(23区・多摩地区)、横浜市、川崎市内に多く、縦横無尽に移動できます。

 都心から郊外に直通するバスでも、渋谷~成城学園前、渋谷~中野、新宿~永福町といった路線は、ラッシュ時の鉄道(それぞれ小田急線、中央線、京王井の頭線、名うての混雑路線です)を避けるのに良い移動手段です。バスもラッシュ時は混雑し、時間もかかりますが、始発で乗れば座って移動できます。永福町や成城学園前といった「(鉄道の)途中駅から(バスの)始発で座れる」のは、バスならではのメリットとも言えましょう。

 その他、都心の移動でも、地下鉄では乗換を要するものの、バスだと1本で行ける区間があります。メジャーなものだと、渋谷~六本木、六本木~新橋ですが、他にも渋谷~白金高輪~三田、新宿~江戸川橋~目白(~練馬)、錦糸町~押上~浅草~日暮里、東京~月島~豊洲~ビッグサイト、東京~門前仲町~東陽町~錦糸町、といった路線は、JRや地下鉄では乗り換えが面倒なところばかり。「痒いところに手が届く」ショートカット路線でもあります。

 さて、メリットを挙げれば挙げるほど、「ならばこれまで何故それほど利用されなかったのか」という話になります。都市部において鉄道は躊躇なく使われるのに対して、バスがそうでない、とすると、鉄道の利便性と比較するのが手っ取り早いでしょう。

そもそもバス停がみつからない

 とても初歩的なことですが、どこで乗れるかが分からないのは路線バスの最大のネックです。

 鉄道の駅は、どんな地図でも目立つように描かれ、検索してもピンポイントで出てきます。また、写真のように、駅付近の道路にも、駅はどちら方向に何m先か、といった看板、標識が見られます。改札の中に入れば、どの路線のどこ行きが何番線か、電光掲示板に表示され、何番線かは駅構内の誘導に従えば辿り着きます。

 バスはその点、こうした乗り場への誘導が乏しいのが実情です。複数の乗り場がある駅のターミナルを除いては、バス停の場所は示されておらず、歩いてみないと見つからない場合が多々あります。

 いや、「駅のバス乗り場」でも、どこにあるのか分からない、というケースだってあります。バス乗り場の案内標識があっても、必ずしも駅舎を出てすぐとは限らず、いくつかの道を渡ってようやくバス乗り場が現れるのです。例としては、東京都武蔵野市の吉祥寺駅南口(公園口)が挙げられます。

 また、「乗り場」が分かっても、どこへ行けばいいのか迷うこともあります。

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