有名人を起用するリスク

 有名なモデルやタレントを使えば目を引くかもしれないが、広告では“商品を売ること”のみが目的だ! モデルやタレントの写真を使った広告原稿を使って、仮にクリックをしてくれたとしても、それは商品に興味を持ってくれたわけではなく、単純にそのモデルやタレントに興味を持ってくれただけであり、商品の申込みに繋がらない場合が多い。

 さらに、特に女性にこの傾向があるのだが、女性はモデルやタレントによる“好き嫌い”が激しい。嫌いなモデルやタレントが広告に出ていたら、絶対にクリックしないのだ。せっかく商品が良いのに、モデルやタレントがマイナスに働いてしまうのだ。

 多くの通販会社は有名なモデルやタレントに何百万円、時には何千万円と高額なお金を払い、そのモデルやタレントの写真を広告に載せるが、ネット広告においては、それが無駄金になる場合が多いのだ(笑)。

 ちなみに余談だが、ここ数年はソーシャルメディアの発達のせいか、プロのカメラマンが撮った“写真”より、まるでスマホから撮ったような素人っぽい“写真”を使った方が、お客様が広告だとはあまり意識せず、情報っぽく見えることからクリック率は高くなる傾向が出ている。もっと言うと、写真の背景の色は“黒”にすると、さらにクリック率が上がる傾向にある。

裏側の仕掛けその④:媒体に馴染んだ広告原稿デザインに!

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 ネット広告でクリック率が高いディスプレイ広告のデザインは「動きのないコンテンツ風のデザイン」である!

 数年前に「ディスプレイ広告ブラインドネス」という業界用語が出てきた。ネットのお客様がネット広告に慣れすぎた今、ディスプレイ広告を本能的に無視してしまう傾向が高いということだ。
 何度も繰り返すが、お客様はネットを使って情報を求めている。いかにも広告っぽい、宣伝臭いディスプレイ広告が無視されるのは当たり前である。

 つまり現在のネットにおいては、派手にクルクルする動きがあり、ブランディング目的のオシャレなデザインにしたディスプレイ広告ほど無視されるという皮肉な傾向にある。なのに、多くの通販会社は未だにそれに気づかず、イメージ型の派手な動きのディスプレイ広告を掲載してお客様に無視され続けている。

 なので、ディスプレイ広告のクリック率を大幅に上げる方法は、ズバリ“動きを無くし”“キャッチコピーをメインにすること”。そして“なるべく出稿している媒体のコンテンツと馴染むディスプレイ広告をデザインすること”である。つまりは情報っぽい、もっというと“コンテンツ風”の広告原稿を制作することである!

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