通販業界の至上命題はCVRとLTVの向上

 なぜこんなにもEC業界でAmazon Payが話題になっているのか。EC事業の核となるCVR(Conversion Rate:申込率)とLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)といった重要な指標を最大化する “最強の売れるノウハウ”をお伝えしたうえで、Amazon Payが与えるEC業界へのインパクトと、今後の通販市場がどのように変化していくかについてお伝えしよう。 

 まずCVRとは、ECサイトへの訪問数やページビューに対して申し込みが達成された件数の割合を示す指標である。広告の費用対効果の改善に重要なCVRを最大化するためには、“購入に必要な個人情報の入力の手間をどれだけ省くことができるか”がカギとなっている。

 また、LTVとは顧客生涯価値のこと。“一人の顧客が何度もリピートして総購入額を上げること”で、LTVが向上し、通販会社の売上アップにつながるのである。この2つの重要な指標をいかに最大化するか、具体的なテクニックをお伝えしよう!

申込フォーム一体型ランディングページとEFO機能でCVRを向上!

 CVRを上げるために重要なのは、申込フローの簡略化と、EFO(Entry Form Optimization:申込フォーム最適化)機能を搭載した申込フォームの設置である。まず、申込フローの簡略化について説明しよう。日本の平均的なECカートシステムでは、ランディングページから申込完了まで平均すると“8つ”のページ遷移がある。つまり、せっかくランディングページでその商品に興味をもったとしても、申し込みが非常に面倒な “8つ”のページを遷移しないと商品を購入できない。

日本の平均的なECサイトにおける“8つ”のページ遷移

 せっかく広告をクリックして、ECサイトやランディングページに訪れてくれたとしても、申込完了画面まで行ってもらわなければ全く意味がないので、通販会社はいかに顧客に申し込ませるかということに死力を尽くし、あの手この手を使っているのである。ネット広告の担当者は、ECサイトやランディングページの訪問者が購入に至らなかった現象を“カゴ落ち”と呼ぶのだが、この顧客の離脱問題は通販会社の責任者を常に悩ませ続けてきた。

 では、どうすればいいのか。答えは簡単! ページ遷移が長くて離脱するのなら、単純に短くすればいいのである。つまり、“申込フォーム一体型”の広告専用ランディングページにすることで、大幅にCVRを改善することができる。広告から流入した顧客がたどり着く先を、ECサイトではなく、商品ごとに独立した広告専用のランディングページにすることで、申込完了までのページ遷移を短くし、“カゴ落ち”を防ぐのだ。

商品ごとに独立した広告専用のランディングページ

 広告専用のランディングページの中に申込フォームを設置して、ユーザーが入力したら“申込確認画面”に移り、最後は“申込完了画面”で終わるというシンプルな構造にすることで、顧客はたった“3つ”のページ遷移で商品を購入できるようになり、劇的にCVRが上がる。実は勝ち組と言われている大手通販会社のほとんどが申込フォーム一体型の広告専用ランディングページを制作している。

 もっと言うと、この申込フォーム一体型の広告専用ランディングページには、商品購入に必要な個人情報の入力の手間を減らし、より短時間で正確に入力完了できるよう、ユーザーに合わせて入力フォームを最適化するEFO機能が搭載されていることが重要である。言うなればサジェスト機能、つまり“入力補助機能”の強化である。

 CVR最大化のテクニックを語る際に一番ネックになるのが、顧客が最も離脱するポイントともいえる申込フォーム。これをいかに改善するか、つまりは申込フォームをどこまで最適化できるかが重要となる。入力の手間や時間を減らして、離脱率を下げることが大切なのだ。

 例えば、不適切な入力によるエラー発生頻度をゼロにするために、入力する項目一つずつにアラートを出して入力の誤りを教えてあげる。名前の入力は漢字とふりがなという項目があるが、これを両方入力しなくて済むように、名前欄で漢字入力をすると、すぐに下のふりがな欄にも自動的に同時に文字が入力されるようにする。郵便番号7ケタを入力すると、すぐに下の都道府県と住所欄にも自動的に該当の住所が入力されるフォームにしておく。このように、顧客への“おもてなし”を尽くした申込フォームにしておくのだ。

 さらには、入力補助機能として、名前など全角で入力するフォーム項目では、自動的に全角入力へ切り替える。一方、電話番号やメールアドレスなどを入れるフォーム項目では、半角に自動切り替えさせる。勝ち組と呼ばれる通販会社は、実はここまで徹底的に“入力の手間を省く”努力を行っている。

 繰り返しになるが、“入力の手間を省く”、“申込フローを簡略化する”ことは非常に重要である。これらを突き詰めて突き詰めて…CVRを上げてきたのが、昨今の勝ち組通販会社なのだ。