マーケティングリサーチは売り上げにつながらない!

 まず、マーケティングリサーチのデメリットとして、時間とコストがかかる点が挙げられる。マーケティングリサーチは、獲得できるデータの母数が少ないとほとんど意味をなさないからだ。

 例えば、アンケート調査の場合を考えてほしい。キャンペーンスタート前に300~500人にモニターとなってもらい、商品を配布して、実際にその商品を使用してもらい、満足度を確認するという調査があったとする。

 ところが、この母数でその商品価値や販売ターゲットを決めてしまうのは非常に危険。なぜなら、世の中にその商品を欲しいという人が仮に1000人のうちたった1人であったとしても、大ヒット商品となり得るからだ。逆に、その商品を欲しい人が仮に1人もいなかったとしても、その商品は市場に出せば売れる可能性が存在するのだ。

 マーケティングリサーチでは必ず調査する人数、つまりサンプリング調査の母集団人数からどれぐらいのデータ回収率で判断するのかを最初に設計するのだが、確実にその商品の可能性を把握するためには、少なくとも5000~1万人規模の調査が必要となる。もし、5000人を調査対象としたマーケティングリサーチを行い、1人当たり5000円の調査費用がかかるとしたら、商品の販売前に2500万円といった膨大な費用が必要になる。しかもこの費用はあくまでも先行投資なので戻ってこない。売り上げが立つのはもちろん商品の販売が始まった後である。

●マーケティングリサーチを実施した時のシミュレーション
調査費用:1人当たりの調査費用5000円×サンプリング母数5000人=2500万円
売り上げ:なし ※商品の販売が始まった後

 マーケティングリサーチに予算を投下するのではなく、実際に商品を売りながら行うA/Bテストの広告費として投下するとどうなるだろうか。商品価格が2000円だとすると、私の経験上1人当たりの獲得コスト(CPO)は商品価格の2.5倍で5000円なので、以下のような計算となる。

●A/Bテストを実施した時のシミュレーション
広告費:初回獲得コスト 5000円×新規顧客 5000人=広告費 2500万円
売り上げ:商品価格2000円×新規顧客5000人=1000万円
※広告費2500万円で純広告・成果報酬型アフィリエイト広告を出稿した場合を想定

 マーケティングリサーチは商品販売前の先行投資なのでその場では売り上げが立たないのに対し、A/Bテストを実施するために広告を打つと、当たり前だがその場ですぐに売り上げが立つ。また、その際に獲得した新規顧客がその後、何回も商品を買ってくれるようなリピーターとなれば、さらに売り上げが増えていくのだ。

 マーケティングリサーチとA/Bテストのどちらを選ぶかは、販売開始後の商品の売れ行きにも影響を与える。なぜなら、マーケティングリサーチはあくまでも商品販売前の事前調査であって、その調査結果が実際にいくら売り上げに貢献するのかを正確には把握できない。例えば、よく行われるマーケティングリサーチの対象は、商品名・商品パッケージ・商品価格・クリエイティブの4つだが、商品名を複数案から選定する場合、販売前に「商品名Aが調査の結果一番良かった!」となったとしても、それはあくまでも仮説なのである。商品名Aが本当に売り上げに直結する最適なものだったかどうかは販売してみないと分からない。

 一方、A/Bテストを実施した場合は、同じ条件・同じ媒体で100%平等に広告を配信し、ユーザーのアクションベース(レスポンスベース)で判断するので正確だし、売り上げに貢献したかどうかが明確である。しかも、テストを実施しながら売り上げにもつながる。

 マーケティングリサーチは調査対象となる母数を増やさないと意味がなく、そうすると費用は高いし、時間もかかるし、すぐには売り上げにつながらない。調査結果が果たして本当かどうかを売り上げベースで比較することもできず、デメリットだらけだということだ。

 A/Bテストであれば商品名・商品パッケージ・商品価格・クリエイティブなどの要素とレスポンス(売り上げ)の費用対効果を必ず見るので、マーケティングリサーチのように売り上げ指標と関係のないバクチ的な投資となることは決してない。