しかしその一方で、アインシュタインは──
・5歳になるまでまともに言葉を話せなかった。
・文字を覚えたての子供がよく書いてしまう鏡文字(左右を反転させた文字)を、彼は大人になっても書いていた。
・暗記が異常に苦手で、物理学者でありながら光速度の数値(毎秒29万9792キロメートル)すら言えなかった。
・日常の身の回りのことがまったく自分でできず、また偏屈で、2度の結婚を経験したが、その2度とも円満なものではなかった。

 …などなど、「ふつうの人がふつうにできることが、まったくできない」ことが多かったのでした。

天才たちに特有の“症状”

 これはアインシュタインだけの特例ではなく、「天才」と呼ばれる人たち、あるいは何かに異常な才能を発揮する人たちを調べてみると、ほぼ確実にこうした“症例”に当たります。

 発明王トーマス・エジソン(1847~1931年)も、子供の頃は小学校を退学させられるほど学業成績が悪く、大人になっても、考え事をしていると妻の顔すら忘れて「きみ、誰?」という有様で、果ては物事に熱中しすぎて自分の名前を度忘れすることもあったといいます。

 はたまた、万有引力の発見で有名なアイザック・ニュートン(1642~1727年)は、卵と間違えて時計を茹でたり、ズボンを穿くのを忘れて役所に出かけたり、馬がいないことに気づかず手綱だけを引きづったまま歩いたり、「天才となんとかは紙一重」という言葉を思い出すほど、天才は凡人では考えられない愚鈍な側面を見せます。

アイザック・ニュートン(1642~1727年) (画像:PIXTA)