2018年入社予定の新卒社員の「志向の変化」とは?

 では新卒社員の意識はどのように変遷しているのか。この20年以上にわたり新卒採用を続けてきた経験からいうと、おおむね以下のような感じです。

 ずいぶん長いこと、新卒社員は「お金」とか「出世」とかいったものにモチベーションを持っていました。給与・賞与はこれくらいほしいとか、入社5年以内には店長になりたいとか、そういうことです。当然、彼らを差配する管理職も、適度に残業をさせて手取りを増やしたり、成果が出るように導いたりして、それを昇進という形で報いてやれば、彼の満足度や組織に対するロイヤリティは向上した。

 ところがこの5年くらいで、雰囲気が変わりました。少し前に流行った言葉でいえば「草食系」とでもなるのでしょうか。基本的には素直で真面目だし能力もあるが、ハングリーさや野心には欠けるタイプが増えた。こういう人材は当然、お金とか出世とかではモチベーションは維持されません。そんなものはどうでもよくなっている──、とまではいわないまでも、「ほどほどの待遇でいいからプライベートや余暇を充実させたい」という志向が強いです。

一人だけ目立ったり、抜きんでたりすることを忌避

 こうなるともう、やれ残業だそれ研修だと彼らを駆り立てることはもう得策ではなくなる(もちろん皆無にするわけにもいきませんが)。そこでわが社は、残業を大幅に圧縮し、かつまた社員の有給休暇の取得率を高める取り組みを始めました。これはなかなか効果があって、ここ3年以内で辞めた新卒社員はわずかに3名です。毎年20名程度の新卒社員を採用していますが、それでこの数字なら「まずまずのもの」といっていいと思います。

 そして、ここからがある意味では本題なのですが、来年2018年4月に入社してくる新卒社員は、また少し感じが変わってきています。お金や出世よりもプライベートを重視するのは同じなのですが、そこに新たな傾向が加わりました。一人だけ目立ったり、抜きんでたりすることを忌避するようになっている。わが社の内定者全員に「鞄持ち」をさせて私の仕事に同行させ、彼らに質問させて、つぶさに観察して得られた結論です。

2018年4月に入社してくる新卒社員の特徴とは?(画像:PIXTA)