部下たちの退職を防ぐために

 いよいよ年の瀬、私の連載も本年最後の更新です。今回は本年一年を総括する意味を込めて、私がかねてより懸念に思っていることをお話してみましょう。

一年間を総括する。(画像:PIXTA)

 私は、「市場やお客様は“分秒の単位”で変化し続けている」とよくいいます。わが社の社員に向かっても、セミナーや講演でもいいます。そして原稿にも書く。その意とするところはこうです。市場やお客様が急速に変化を続ける以上、それと同等のスピードで考えかたやビジネスのやりかたを変えていかなくては、あっという間に見放されて売上を落とす…、と。

 しかし、私の懸念は、このことをあまりにも頻繁に主張しすぎたために、「対市場」・「対お客様」の変化「だけ」を見ていれば充分だという誤解を、わが社の管理職に与えてしまったのでは、ということです。

企業の競争力は働く人を確保できているかどうかに依存する

 私はこんなことも付け加えていわなくてはならないと思っています。「分秒の単位で変化し続けているのは、市場やお客様だけではありません。新卒で入ってくるあなたの部下もそうですよ」と。これからの管理職は、市場・お客様の変化はもとより、部下の変化にも敏感であらねばならない。そうでないと部下は、仕事や職場環境と自分の価値観とのギャップに悩み、そして辞めてしまう。

 これはあなたが思う以上にシビアなことです。当連載の第1回目「『部下を辞めさせない』管理職が評価される時代」でも述べましたが、少子高齢化で市場が急速にシュリンクしていく中にあって、企業の競争力は「働く人をきちんと確保しているかどうか」に大きく依存するからです。

 先般、「2017年の就活生の内定辞退率は、過去有数に高かった」といった内容の記事をどこかで読みました。それは、このところの売り手市場を反映しているということはもちろんあるのでしょうが、受け入れる側の管理職が就活生らの変化に気づかず、旧態依然の価値観のままで彼らに接した(それで失望させた)面も否定できないと私は思う。「おそらく」ですが、入社1年、2年で辞めた新卒社員の数も、今年は過去有数に多かったのではないでしょうか。