部下に負荷を与えるのはいいが、苦痛は与えない

 もうひとつあなたに省みていただきたいのは「そもそも彼にとっては難易度の高すぎる仕事を振っているのではないか」ということです。考えてもごらんなさい、スキルが50しかない部下にスキル100が要求される仕事を振ったって、成果なんか出るわけがない。もしあなたがそういうタイプの管理職だとしたら、「部下が成果を挙げてくれない」とぼやくのは完全にお門違いです。

 スキル50の部下に対してスキル55~60の仕事を振るのは正しいです。常に負荷を与え続けないと人間は成長しませんからね。しかし、どう考えたって、いきなり100は無茶です。そんなものが完遂できるわけはないし、完遂できなければ彼は悪い方向に自信を喪失します。そして仕事が苦痛になる。管理職は、部下に負荷を与えるのはいいのですが、苦痛は与えてはいけません。

 なまじ優秀な管理職ほど、このあたりの匙加減が下手です。その理由は…、いや、それはもはやいうまでもないでしょう。あなたは是非とも気をつけてください。

 部下に仕事を振るさい、一番効率的なのは「彼の一年先輩が去年やって、そして成果を出した仕事」のやり方を、そのまま真似させることです。それこそが、低スキルの人材がうまくやるためのノウハウに他ならないためです。

 人はどんな時も難しいことに正面からぶつかり、そして克服すべきだということを是とするような風潮があります。でもこれは大間違いの価値観です。難しいことを完遂するためには、すぐに成果が出る、さほど難しくないことをたくさんやって、あらかじめ経験値を高めておく必要がある。あなたはその優秀さのゆえに「困難からは逃げるべきではない」とお考えかもしれませんが、こと中堅・中小企業にあっては、「面倒なものは後回し」が正解です。それが実は一番堅実・確実な仕事のやりかたです。

(構成:諏訪 弘)

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