引き継いだ次の担当者が、完成度を高めてきた

 それがどうした、当たり前のことではないか、とは思わないでください。実はこれは非常によくできた仕組みです。なぜならばAくんにしてみれば「なにを、どう伝えるべきか」を考える必要がないからです。自分がつくったマニュアルに欠けているものは、全部Bくんが質問して上書きをしてくれる。こんな楽で確実なことはありません。BくんはAくんの後釜が勤まる程度には優秀ですから、このあたりでの行き違いはほぼないと考えていいでしょう。

 あとはこの繰り返しです。やがてBくんが異動になるときは新任のCくんが同じことをし、以下Dくん、その次はEくんが同じことをします。かくして担当者の異動のたびに業務マニュアルは洗練されていき、ついには異動の初日からでも前任者と同じように仕事ができるマニュアルが完成します。

 わが社の自慢のひとつは、あらゆる業務が高度にマニュアル化されており、突然の人事異動があってもだれも、なにも困らないようになっていることです。それはこのようにして営々とマニュアルを改訂してきたことの賜物といえます。ただ漫然と「マニュアルをつくれ」というだけでは有用なものはできません。マニュアル作成に適した人間を考え、マニュアル改訂を続けるに適した人材を工夫する管理職こそが優秀なのです。

(構成:諏訪 弘)

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