だからといって、ベテランや優秀な社員以外の者にマニュアルをつくらせたらそうした問題を解決でき、よいマニュアルができるとは想像しにくい…あなたはそう思うかもしれませんね。では具体的に解説しましょう。こんな状況を想像してください。

 いまあなたの配下のAくんは、とある業務を担当している。あなたは彼に命じます。「いま、きみがやっている業務のマニュアルをつくっておきなさい」と。マニュアルづくりはまっさらの新人にはいささか荷が重い仕事ですが、入社2~3年目くらいの「“ちょっとだけ”優秀な社員」であればさほど大きな負担にはなりません。

 またこの時点では、マニュアルの完成度については気にする必要はありません。とりあえず「あればいい」です。大切なのはその次、Aくんが異動や担当替えになったときです。

最初の段階では、業務マニュアルの完成度については気にする必要はない。とりあえず「あればいい」。(写真:ragsac/123RF)

引き継ぎのたびにマニュアルが洗練されていくようにせよ

 後任のBくんは、Aくんの残したマニュアルを見ながら業務の引き継ぎをする(のが普通だと思いますが、もし彼がそうしなければ管理職たるあなたが、しかるべく指導する必要があります)。Bくんから見れば、Aくんのマニュアルは「マニュアル」とさえいえない粗雑で難解なものでしょう。着任したばかりで業務のことが理解できていないのだから当然です。やむなくBくんは前任のAくんにあれやこれやと質問をすることになる。