経験の長い社員と新卒社員とを同じ土俵で戦わせるのは公平ではないかと感じる場合は、ハンディ戦にする。ハンディのつけかたによってはゲーム性は一層高まるでしょう。そこはあなたの腕の見せどころです。あなたの部下がやる気を出すかどうかは、あなたが仕事にどれだけ多くの遊び心を取り入れられるかにかかっているといっても過言ではありません。

 「部下のモチベーションを高く維持する」というと、ともすれば常に発破をかけ続けることと受け止められてしまうきらいもありますが、これはやってはいけない下の下の策です。なぜならば「もっと一所懸命やれ」とか「いっそう頑張れ」などと口にするのは部下の「心」のありようを問うことになるからです。心は、目には見えません。目に見えないものを口頭でどうにかしようとするのは時間の無駄だし、なにより部下が無意味に疲弊します。

 以上を換言すればこうなります。管理職のあなたは「モチベーションを高く保て」と求めるのではなく、部下が自然と高いモチベーションで仕事ができるような環境をつくらなくてはならない、と。前述した「夢を持たせる」「出世や昇給の方法を教える」「ゲーム感覚を持ち込む」、これらはすべて部下のモチベーション向上の環境づくりに行きつくものです。

 かつて、頑張れば頑張っただけ成果が出た時代がありました。その頃は、普通に働いていれば給料は上がるし将来に対する見通しも明るかったから、いちいち「モチベーションがどうこう」などといわなくてもよかった。しかしその前提が崩れたいまは、仕事が楽しくなるようなお膳立てをしなくてはいけない。それは管理職の大切な務めです。

(構成:諏訪 弘)

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