
怠けたがる部下の心理を読み、対策を打て
私はいろいろな機会を捉えて言っているのですが、部下はとにかく仕事が嫌いです。面倒なことはしたくない。なるべくさぼっていたい。そういう生き物です。まったく度し難いことですが、だからといって管理職はそれにいちいち腹を立ててはいけません。人間とはそういうものですから。大切なのは「部下とはそういう生き物だ」と認識したうえで、ではいったいどうしたらそんな部下を仕事に駆り立てられるのか、と考え、実行することです。
前回の当連載で、部下に指示した内容が実行されているか、完了させているかを把握する仕組みづくりが必要だというお話をしました。あなたがそのように仕事の管理を徹底するようになれば、さしもの部下とて嫌々ながらも動き出すようになるものです。
そうなったらしめたものです。次の段階として、部下のモチベーションを高める方策を考えてみてください。人間はやりがいや達成感、面白さを感じなければ、なにごとも長続きはしないです。具体的には、なにをしたらいいでしょうか? 私がおすすめしたいのは、部下に対しては常に夢を与えることです。
それはいったいどういうことか。ちょっと昔話をします。
夢のないところに努力はあり得ない
もう四半世紀以上も前の1990年、わが社の経営計画発表会で、私は「5年後の売上高を現在の倍にします」と発表しました。社員は一様に驚きました。当然です。「5年後に倍」ということは、単純計算で毎年15%ずつ売上を伸ばさなくてはならないのです。しかし多少気の回る社員は同時にこうも考えます。「現在、部長が3名、課長が6名いる」「5年後に売上が倍となると組織も大きくなり、部課長の数も倍になるはずだ」と。
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